Project/Area Number |
20K02602
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09020:Sociology of education-related
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
小原 一馬 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (20396617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 美輝 龍谷大学, 文学部, 教授 (80547753)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 多元的価値観 / 向学校文化 / まじめ化 / スクールカースト / 生徒文化 / クリーク / 人気 / 居場所 |
Outline of Research at the Start |
スクールカーストが子どもたちの積極性や自己肯定感の低下という悪循環を引き起こしており、その問題は校外に橋渡し型の居場所を持つことである程度解消されることがこれまでの研究でわかっている。そこで橋渡し型の居場所はどのようなメカニズムによりスクールカーストの悪循環の効果を緩和しているのか、スクールカーストがこの社会でいつ生まれ、それは社会全体の人間関係のありようの変化とどう関わっているのかを明らかにしたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に行ったマクロミル社のモニター調査結果の分析を中心に行い、その成果を、宇都宮大学教育学部教育実践紀要にまとめた(小原一馬・林美輝 2023「なぜ日本の高校生活がより楽しく、充実したものになったのか―大学進学率の上昇と情報化による、疎遠型クラスの減少」宇都宮大学教育学部教育実践紀要10号 印刷中)。この論文では、20代から50代の成人男女に中高生活を振り返ってもらったとき、先行研究と同様、より後の世代で学校生活の充実感が高まり、学校生活を楽しいと感じる割合が増えていることを示した上で、学校の人間関係の変化によってそれが説明できることを示している。つまり、1990年代から2000年代にかけて、グループ間のつながりや多元的価値観を示す「風通しの良さ」が高まり、それらは大学進学率の上昇と情報化によって引き起こされていることがわかった。 これまでも、大学進学率の上昇とともに中高生が受験勉強やその競争を勝ち抜くことについて価値を認めるようになる「まじめ化」が進んでいることは様々な調査で確認されており、勉強にまじめに取り組むことは良いのだが、その視野の狭さが心配されていた(樋田 2015 「序章1 学習をめぐるうれしい変化と心配な変化」 ベネッセ教育総合研究所『第5回学習基本調査データブック』、尾嶋・荒牧 2018「進路希望と社会意識の変容――30年の軌跡」同編『高校生たちのゆくえ―学校パネル調査からみた進路と生活の30年』世界思想社他)。 しかし本調査・研究を通じて、そうした「まじめ化」は一方で、中学・高校の人間関係において多様な価値観を認め合い、ともに協力し合う雰囲気を形成することで、中高の学校生活により積極的に参加する層を拡大する効果を持っており、それが多くの中高生にとってより充実した楽しい学校生活につながっていったことを示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モニター調査の実施が遅れていたが、その調査の分析を行うことで、中高生の人間関係がどのように変化していったか、まとめることができた。その一方で、スクールカーストがどのように広がっていったか、それがどのような影響を与えたかについては、学会発表だけにとどまってしまっているため、来年度にその結果を論文にまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
スクールカーストがいつ、どのように広がっていったのかについては、学会発表を行うことができた。より具体的には、スクールカーストの要件といえる、「人気に基づく、グループ間の階層関係」と「閉鎖的なグループ」の二点に基づいて、スクールカーストという言葉が生まれる以前に、スクールカーストと言えるようなクラスがどの程度存在していたのか、現在20代~50代の人たちに、過去の中高生活を振り返ってもらうことによって示している。またその調査では、スクールカーストとは別に、階層的な人間関係がありながら、より開放的なグループ間関係が存在しているというクラス内の人間関係が見られた。これらの各種形態のクラスの人間関係がどのように広がり、それが生徒の生活にどのような影響をあたえていったか、学会発表を行った内容を論文にまとめていく予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)