合議による「分配の正義」のメカニズム:統計モデリングアプローチ
Project/Area Number |
20K03322
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
清水 裕士 関西学院大学, 社会学部, 教授 (60621604)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲増 一憲 関西学院大学, 社会学部, 教授 (10582041)
石田 淳 関西学院大学, 社会学部, 教授 (40411772)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 分配の正義 / 社会選好 / 不確実性回避 / マキシミン / ベイズ統計モデリング / リスク選好 / 社会心理学 / 不平等割引 / 統計モデリング |
Outline of Research at the Start |
本研究では、「人々がどのようにして社会状態の価値を判断しているのか」について、合議の場面における社会的価値判断のメカニズムを明らかにすることを目的とする。本研究課題では、1.Web調査による社会的価値関数の妥当性の検討、そして2.一般サンプルを対象にした実験室による分配の正義の合議形成のメカニズムを明らかにすることである。これらの課題について、ベイズ統計モデリングによるモデル構築と検証を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
分配の正義に関わるさまざまな新しいモデルを構築し、実証的に研究を行った。 第一に、分配の正義について、効用関数アプローチと、社会的厚生関数アプローチの2つのアプローチがあることを整理した。前者は不平等回避に代表される、人々が不平等を好まない選好を持つことによって不平等な社会が選択されないことを説明するものである。後者は、人々の効用をまとめるときに求められる基準であり、パレート原理やマキシミン原理などが厚生経済学の分野で検討されている。これらを踏まえ本研究では社会心理学の立場で分配の正義を検討するためには、「人々が不平等な社会をどのように評価するか」という社会的価値関数アプローチを提案した。 社会的価値関数を提案するため、Kamedaら(2016)のモデルを参考に、不平等回避と不確実性回避を組み合わせた新しいモデルを提案した。また、このモデルを実証的に扱うために、以下の2つの研究を行った。1つは不確実性回避を説明するためのモデルであり、もう一つはリスク回避を説明するモデルである。 これらのモデルに基づいて、分配の正義における社会的価値関数を実証的に評価を行った。その結果、効用関数から導出した社会的価値関数アプローチだけでは十分な説明ができないことが明らかとなった。そのため、社会的厚生関数アプローチから導出された社会的価値関数とのハイブリッドモデルを構築したところ、最も高い予測力を得ることができた。 これらの知見から、人々は社会的価値を判断するときには、自身の効用関数を使うだけでなく、社会的な規範に基づく判断の両方を用いることが明らかとなった。
|
Report
(4 results)
Research Products
(6 results)