Project/Area Number |
20K03546
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
川ノ上 帆 中部大学, 理工学部, 准教授 (50467445)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | 代数幾何学 / 特異点解消 / 正標数 / IFP |
Outline of Research at the Start |
本研究の主題は特異点解消である. これは代数幾何学における最重要問題の一つであるが, 正標数の場合は未だに3次元非埋め込みの場合までしか解明されておらず任意次元の解決は積年の懸案である. 本研究はその第一歩である正標数3次元埋め込み特異点解消の解決を目標とする. 本研究は応募者が提唱しパーデュー大学の松木氏と共同で発展させている Idealistic Filtration Program (IFP) に沿って進める. 既に曲面の場合はIFPを使った埋め込み特異点解消が得られているので, その際の解析や観察を一般化してIFPを発展させる形での3次元の場合の解決を目指す.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主題は正標数における特異点解消,特に3次元多様体の埋め込み特異点解消である.正標数における特異点解消の問題は,非埋め込みの場合は3次元まで,埋め込みの場合は2次元までしか解決しておらず,全ての次元で解決している標数零の場合とは大きく状況が異なる.特に3次元埋め込みの場合は未だ特筆すべき結果は得られておらず,この分野で最優先の課題と目されている.本研究者はIFPというプログラムを提唱し,これを推進する形で上記の問題に取り組んでいる. 令和 3--4 年度は2次元の場合の手法を拡張して3次元の場合の研究を推進すること, 特に正標数3次元単項型の場合に機能する単項型不変量を見い出すことが当初からの目標であった.コロナ禍の影響で本研究計画の前半がひどく遅れており予定通りとはいかなかったが,概ね上記の方針に沿って研究を行った. 3次元の場合に2次元の場合と同様の観点から解析を進めようとすると,爆発の中心に任意性が現れる点や配置のバリエーションが大量になる点などが3次元の場合の困難として挙げられる.正標数の爆発に特有の現象であるMoh-Hauserの跳躍現象をどう制御するかも重要な問題である.我々は2次元の場合は跳躍現象によらず減少する指標を導入する方式と跳躍現象の漸近的な挙動を解析する方式の2通りの解決法を提示した.しかし,3次元においてはいずれの方法でもこの部分を克服できていない.共同研究者の松木氏と議論を重ねて以前よりは進展した知見を得たが, 結果が限定的であり状況設定もかなり複雑なので,研究を公表できる形に持っていくには更に時間が必要である. 以上のように,令和4年度は一定の進展はあったものの残念ながら部分的であった.なお,リスボンで開催された研究会,ウィーン大学などで関連する問題についての講演を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究計画の始動年度は折悪しくもコロナ禍が始まり猛威を振るった年である.このため前半2年は新しい形の授業準備を始めとする緊急事態への対応に時間と精力を奪われ, 他の研究者とのコミュニケーションも著しく制限された結果, 研究を十分進捗させることが不可能であった.この前年度までの遅れが反映して今年度も研究が遅れている.
|
Strategy for Future Research Activity |
ようやくコロナの影響はおさまり授業などの大学業務も通常運転となってきたので,時間を捻出して3次元埋め込み特異点解消の研究を推進する. 令和5年度は5月から8月まで共同研究者である松木謙二氏 が来日し京都大学に滞在予定であるので, 直接会って議論して研究の加速を図る. 冬にはウィーン大学のHauser氏を訪問して議論をすることも考えている。このような正常な研究活動の時間をできるだけ確保してこれまでの遅れを取り戻すことを今年度の目標とする.
|