史料による歴史時代の火山現象とその機構の解明―新世代の解析手法の確立に向けて
Project/Area Number |
20K04079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17030:Human geosciences-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
津久井 雅志 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (50192191)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 史料 / 雲仙岳寛政噴火 / 島原大変 / 富士山宝永噴火 / 噴火推移 / 降灰分布 / 磐梯山1888年噴火 / 山体崩壊 / 古文書 / 歴史時代の噴火 / 歴史時代の山体崩壊 / 火山現象 / 火山災害 |
Outline of Research at the Start |
史料(古文書や絵図等の古記録)情報には,歴史時代の噴火履歴や諸現象の発生機構の解明のために重要な情報が含まれている.代表的な噴火現象を取り上げて,自然科学的視点から史料の情報を丁寧に抽出,整理して,高い精度・分解能で火山現象の推移を復元し,それらの機構を解明する.我が国には先人の残した古い時代からの史料が諸外国と比べて充実している.これらの財産を次世代でさらに活用できるような解析手法の確立をめざす.
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Outline of Annual Research Achievements |
2020年・2021度は新型コロナ感染症対策のため,調査が様々な形で制約を受け,計画が予定通り進められなかったが,2022年度には学外の図書館,資料館を45日にわたり訪問し,富士山宝永噴火に関する合わせて約200件の史料データを閲覧・取得し,解析を進めている.特に史料原典のデータの取得につとめ,既刊の資料・解析結果の成立ちと内容の確認するとともに,より詳細な事実関係や新データを得て高い分解能で現象を解明しつつある. 富士山宝永四年(1707年)噴火について, ○ 十一月二十三日の噴火開始以降の推移に関して,従来検討されていなかった栃木県芳賀郡茂木町,千葉県一宮町・長生村・白子町・君津市における史料,東京都文京区護国寺日記・諸藩江戸屋敷における降灰状況・降灰時刻の観察記録を検討して,刻々と変化する活動の盛衰と風向を復元している. ○ 降灰層厚に関する100ヶ村近くの農民からの復旧支援要請と復旧実績の書上報告が残っている.従来,一次史料と二次史料とが混在したまま検討されていたが,今回,極力原史料を確認することにより,史料が作成された目的と時期が整理され,信頼度の高い降灰状況が明らかになった.当時の堆積物は耕作地を中心に排除されてしまっているので,文書記録から復元される精度の高い堆積物の層厚情報は火山活動評価にとって不可欠なデータである. ○ 幕府や小田原藩の噴火調査検分経路と日時が,『富士山自焼記』(東大史料編纂所蔵),『富士山変記』(東北大狩野文庫),『富士山焼記』(刈谷市立図書館村上文庫),神奈川県大井町篠窪・山北町皆瀬川・南足柄市矢倉沢の名主文書,『箱根御関所日記書抜』をもとに詳しく解明された. 以上のように収集と解析作業を進めている.非常に多数の史料があるため,とりまとめに時間を要しているが,最終年度である今年度中に富士山宝永噴火史料集としてまとめる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年・2021年は新型コロナ感染防止のための行動抑制と,図書館,資料館の利用制限が理由で進展が当初の研究計画よりも遅れている.2022年度には多くの資料を収集し,高分解能化に資するデータを得たが,データ量が多くその解析とまとめに時間を要する見込みである.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度の予定なので,富士山宝永噴火を中心に,○噴火推移,風向と降灰分布に関する分析結果,○降灰層厚に関する分析結果,○幕府・小田原藩の噴火活動検分調査に関する分析を行い,解析ととりまとめを完了させる予定である. 1年目に取りまとめた寛政四年雲噴火・島原大変とあわせて,史料を用いて火山現象を解明する研究の指針を提言したい.
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)