飛行生物の運動データの特性抽出モデルに基づくバイオインスパイアード制御法の構築
Project/Area Number |
20K04529
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21040:Control and system engineering-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
河辺 徹 筑波大学, システム情報系, 教授 (40224844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合原 一究 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70588516)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | バイオインスパイアード制御 / Deep Lab Cut / 運動データ / 飛行生物 / モデル予測制御 / 人工移動体 / UAV / 特徴抽出 / 数理モデル / 数理モデリング / 運動制御 |
Outline of Research at the Start |
ウミネコやハチドリ等の鳥や昆虫の飛行動作時(着地や離陸、空中ホバリングや急旋回時など)の動画像データを収集し、その優れた飛行制御メカニズムを解析し、運動特性を抽出して数理モデル化する。続いて、このモデルに基づき、LQ最適制御等の一般的な制御法でのこれらの飛行動作の実現性を検証する。そのうえで、申請者がこれまで研究開発してきたモデル予測制御やスライディングモード制御を飛行生物の運動特性を融合させた新たな制御法として再構築し、次世代の人工移動体の基盤となる、安全で快適かつ柔軟で高度な運動制御技術として確立することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
3年間,コロナウイルス感染症の影響により,飛行生物の動画像データの収集のためのフィールドワークがほとんどできず,また,研究動向の調査や意見交換のための学会参加等の出張もあまりできなかったため,過去の蓄積データと少ないながら新たに収集できた動画像データに基づいて,深層学習を用いた行動解析ツールであるDeep Lab Cutを新たに用いた解析を進めた.特に,ウミネコの着地データを環境状況(風向や他の個体との距離など)を要因とした着地動作の分析を行い,これをカテゴライズ化した成果を,学会にてポスター発表した.また,新たに取得したいくつかの離陸データに基づいて,ウミネコの離陸時の経路と風向との関係などを分析した.さらに,ドローン操縦技能認定を受けている方に協力いただいて,ドローンの飛行軌跡の動画データの取得とその分析,ならびに,ウミネコの離陸データとの比較解析を行った.この解析結果に基づいて,昨年度から構築を進めていたウミネコの離陸データに基づいたモデル予測制御法の改良も行った.加えて,この制御法を基にして,魚群(アラナミキンクロ)の遊泳データの数理モデル化による電子連結車両の自律合流制御への応用成果の学会発表や,マルチエージェント制御問題への展開なども行った.併せて昨年度から展開している,電気自動車と自然エネルギーを組み合わせた大都市電力系統網の安定化と二酸化炭素排出削減のための制御法の更なる改良も行い,IEEE Access, Volume 10に掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
3年間のコロナ禍で動画データの撮影のためのフィールドワークがあまりできず分析データが不足したこと,調査研究,意見交換のための出張がほとんどできなかったこと,ならびに研究代表者が2022年4月1日付けで筑波大学情報学群長に就任し,学群全体の運営業務ならびに評議員として大学全体の運営業務に携わっており、これらの業務が多忙となって研究遂行にかける時間が減ったこともあり,補助期間延長を行った.ただし,少ないながらも収集できたデータや過去の既存データを用いた解析とそれに基づくモデル予測制御法の改良はある程度進めることができた.また,副次的な理論研究として,モデル予測制御法の改良手法を電力系統のCo2削減と安定化を行うための制御法や電子連結車両の自律合流制御などに展開できたことは成果である.
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Strategy for Future Research Activity |
着陸,離陸ともに,新たな動画像データの収集のためのフィールドワークを可能な限り進める.着陸動作については,ウミネコの数理モデルと動作軌跡のカテゴライズ化がある程度できているので,これに基づいてより乗り心地性能と風向や風量の変化に対するロバスト性を向上させるモデル予測制御(MPC)法の更なる改良を進める.特にロバスト性に対しては,SMC(Sliding Mode Control)と融合させたMP-SMC法の適用と改良も検討する.離陸動作については,ドローンの動画データの収集やそれに基づく動作分析と,ウミネコや昆虫等の離陸データとの比較をさらに進め,人が操縦する場合のドローンの離陸の問題点(一時的に速度と位置が低下する)をウミネコの離陸データに基づいて改良した,自動操縦のための制御法の構築を,こちらもSMCやILQ制御なども基礎とした手法としての開発に取り組む.また,着陸,飛行,離陸を包含した状況切換型の飛行全般に対する数理モデルと制御法の検討も行う.モデルについては,論理混合型動的モデルを基礎に,また,制御法については,ゲインスケジューリング制御やハイブリッドシステムの制御法などを基礎に考察する.
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)