緊張材の能動横拘束で地震損傷RC部材のひび割れを閉合する機動的な応急補強法の開発
Project/Area Number |
20K04794
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
中田 幸造 琉球大学, 工学部, 教授 (80347129)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 応急補強 / ひび割れ併合 / プレストレス / 拘束コンクリート / 軸耐力 / せん断破壊 / エポキシ樹脂補修 / リハビリテーション / 横拘束 / トラス・アーチ機構 |
Outline of Research at the Start |
本研究の最終目標は,初期緊張ひずみを導入したアラミド繊維ベルトでRC柱をあらかじめ締め付けることによって得られる能動横拘束を,地震被災RC柱の「ひび割れ閉合」に応用し,簡便・迅速・安価な機動的応急補強法を確立することである。能動横拘束を地震被災RC柱のひび割れ閉合に活用することで,養生期間を必要とする従来の樹脂注入に比べて,本応急補強はひび割れ閉合直後から横拘束およびせん断補強効果を発揮できる。本研究では,水平加力実験と圧縮実験の2種類の構造実験から,能動横拘束が損傷RC柱の圧縮性能やせん断伝達機構に与える影響を検証し,応急補強法としての性能評価式を確立することを目的としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は,地震で被災した鉄筋コンクリート(RC)造建物に対する簡便・迅速・安価な機動的応急補強技術を確立することである。これを踏まえ,本研究では,高強度緊張材(アラミド繊維ベルト)による能動横拘束を,地震でひび割れが生じたRC柱のひび割れ閉合に応用する。 これまでの研究においては,応急補強RC柱の曲げ耐力は,無損傷RC柱に比べればやや小さく,また,水平剛性もやや低い結果が得られていた。そのため,2021年度は,能動横拘束にエポキシ樹脂補修を併用し,剛性の回復程度,曲げ・せん断の応力伝達機構の検証を目的とした加力実験を実施した。2022年度は,本学工学部実験棟が改修工事であったため,加力実験を実施できなかった。しかしながら,加力実験が実施できなかった分,新たな視点で検証を進めるため,ポスドク研究員を雇用し,これまでの実験結果の分析を進めた。その結果,能動横拘束にエポキシ樹脂を併用することにより,併用しない場合に比べて水平剛性が1.8倍程度大きくなることがわかった。能動側圧の増加による水平剛性の増分が1.2倍程度であることから,エポキシ樹脂併用の効果は大きかった。その他,能動側圧が小さく,かつ,エポキシ樹脂を併用しない場合は,シリンダー強度による曲げ耐力を発揮することは難しいが,エポキシ樹脂を併用すれば,能動側圧が小さくても曲げ耐力を発揮できることが分かった。エポキシ樹脂を併用しない場合は,能動側圧を大きくすると曲げ耐力も大きくなるが,エポキシ樹脂を併用すると能動側圧が小さくてもシリンダー強度による曲げ耐力を発揮できるため,能動側圧の曲げ耐力に与える影響は小さくなることも分かった。また,アーチ機構のせん断耐力についても,エポキシ樹脂併用により,併用しない場合に比べて最大水平耐力は大きくなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は,本学工学部改修工事の一環として,工学部実験棟の改修工事も実施された。そのため,工学部実験棟は令和5年2月まで使用できず,3月から再稼働のための作業を始めたところである。その代わり,令和4年度は実験結果の分析を進めたため,その結果をもとに最終年度の加力実験を計画し,本機動的応急補強技術の道を開きたい。
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Strategy for Future Research Activity |
能動横拘束にエポキシ樹脂を併用するにあたり,エポキシ樹脂適用方法を工夫すれば機動性を大きく低下させることなく,高い補強効果が得られることが分かった。今年度は,能動横拘束に併用するさらに簡便な方法を試行し,その補強効果を検証する。また,補強損傷RC柱の圧縮実験について,データ蓄積が十分とは言えないため,今年度圧縮実験を追加する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)