Development of efficient purification methods and analyses of health-promoting functions for natural functional ingredients.
Project/Area Number |
20K05941
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
高橋 正和 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (80315837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片野 肇 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (50264685)
神戸 大朋 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (90303875)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 溶解度分別法 / 有機溶媒抽出 / グリチルリチン / 糖鎖構造 / グルクロン酸 / サイコサポニン / 大豆サポニン / ソバ殻抽出物 / γ-オリザノール / マイクロウェーブ抽出法 / 天然生理活性化合物 / 配糖体 / 選択的沈殿法 / 亜鉛トランスポーター / 抗炎症 |
Outline of Research at the Start |
天然生理活性化合物の機能解析にとって、簡便・迅速な大量調製法の開発は、研究速度を左右する。これまでに申請者らは亜鉛トランスポーターZIP4の発現増強作用を示す食由来因子として大豆サポニン類を同定するとともに、水-有機混合溶媒等による選択的沈殿法を駆使して、大豆サポニン類(活性には糖鎖が必須)を選択的かつ簡便に精製する方法を開発している。 本研究では、選択的沈殿法を利用して、ソバ殻粉末抽出物等に含まれるZIP4発現増強機能成分(本機能成分の報告事例は少ない)や、炎症(=多様な疾患の基盤病態)を抑制する抗炎症性天然化合物をターゲットとして、効率的単離法の開発を行い、単離化合物の機能解析を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでに我々は、大豆サポニン(亜鉛トランスポーターZIP4発現増強活性を示す)について、ホウ砂を利用して大豆全粒粉末からの簡便効率精製法を開発している。この手法はdiol構造を糖鎖に持つ配糖体化合物について有効であるが、大豆サポニン精製においてはグルクロン酸残基の存在も大きなカギを握っている。そこで、類似の糖鎖構造を有する化合物を対象とするべく、検討を開始した。 グリチルリチン(GA)は甘草に含まれる天然配糖体であり、甘味料として有用なほか抗炎症作用など多様な活性が報告されている。GAの糖鎖にもグルクロン酸残基があるが、大豆サポニンBbは2,3-cis diol構造を有するのに対して、GAは2,4-cis diol構造であるなど糖鎖構造が異なる点も多い。 まず甘草粉末のメタノール抽出物(Fr.1)を調製したところ、十分量のGAが抽出されると同時に多くの不純物が共存することを逆相HPLC解析で確認した。Fr.1にホウ砂水溶液を添加すると、GAは可溶性画分に回収され、次にpHを酸性にするとGAが沈殿画分(Fr.2)に回収され、比較的極性の高い不純物が除去される(GA回収率80%程度)ことが判明した。次にFr.2をさまざまな溶媒に再溶解し、ホウ酸水溶液の濃度を調節して酸沈殿法を併用して再沈殿条件を検討した。アセトニトリルに再溶解して得られた再沈殿画分(Fr.3)を逆相HPLC解析に供した結果、極性の低い側の不純物を大きく減らせることが確認された。Fr.3のGA回収率はFr.1の約30%に相当し、溶媒濃度など精密な条件決定が必要であったが、ホウ砂による溶解度分別法がGA精製にも有効と判明した。 また前述の通り大豆サポニンが亜鉛トランスポーターZIP4発現増強活性を示すことから、ZIP4発現量と細胞内の亜鉛調節量の調節機構について解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画は、R2年度に感染防止対策を目的とする研究活動制限を大きく受け、計画全体が1年近く遅れている。現在は平時に戻っており支障はない。 R4年度は我々が大豆サポニンで開発した「ホウ砂を用いた高効率精製法」を適用できる候補化合物の1つとして、グリチルリチンに焦点あてて検討を行い、一定の成果を得て進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ホウ砂による高効率精製法では水-有機混合溶媒による溶解度分別に加えて、pH制御が錯体形成とその溶解に影響すると予想された。この予想の下に候補化合物にグリチルリチンを選んで検討したところ、予想通りの成果が得られた。 このグリチルリチンの精製効率の精度を高めることを優先するとともに、他のウロン酸を糖鎖に含む化合物に関しても「ホウ砂を用いた高効率精製法」の適用を検討する。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)