Project/Area Number |
20K06174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40020:Wood science-related
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
松永 正弘 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70353860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正彦 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00397530)
神林 徹 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (30772024)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 加圧熱水 / 減圧注入 / 寸法安定性 / 耐湿性 / 耐朽性 / バルキング / 質量増加率 / 加圧熱水処理 / 注入処理 / 化学加工 / 木材 |
Outline of Research at the Start |
木材の寸法安定性を向上させるため、これまでに様々な化学改質処理法が開発されてきたが、近年高まる環境意識の高まりから薬品や化石由来資源を用いない化学改質木材を求めるユーザーの声が大きくなっている。そこで本研究では、木材由来成分のみを用いて木材を改質し、高い寸法安定性を有する木材を製造すると共に、その性能の発現機構を解明することを目的とする。改質方法としては、木材を加圧熱水処理して得られた反応液を別の木材に注入して加熱し、木材中に固着させて水分の吸脱着を抑制する。注入する成分は木材由来成分のみであり、その製造にも熱と水しか使わないことで、ノンケミカル処理による新たな化学改質処理技術の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、スギ木粉の加圧熱水処理反応液を他の木材(スギ辺材)へ注入すると寸法安定性の指標となる抗膨潤能(ASE)が向上すること、反応液中には有機酸類と5-ヒドロキシメチルフルフラール (5-HMF)が特に多く含まれていること、有機酸の一種であるシュウ酸と5-HMFを混合させた水溶液をスギ辺材に注入してもASEが大幅に向上することなどが明らかとなった。そこで今年度は、反応液中に含まれる有機酸類の詳細について、有機酸分析用のカラムを用いて高速液体クロマトグラフィにて同定を行った。その結果、主な有機酸としてシュウ酸の他、ピルビン酸、乳酸、ギ酸、酢酸が含まれていることが明らかとなった。さらに、シュウ酸や5-HMFをそれぞれ単独でスギ辺材に注入し、ASEの測定を行ったが、寸法安定性はそれほど向上しなかったことから、反応液中に含まれる有機酸類が触媒に近い働きをして5-HMFの変性を促進し、ASEの向上に寄与している可能性が高いと考えられる。 また、反応液を注入したスギ辺材の寸法安定性以外の性能評価として、耐湿性、硬さ、撥水度、耐朽性の評価を行った。耐湿性は調湿塩を用いて恒温恒湿状態にしたデシケータ内で調湿を行い、含水率を測定した。硬さはデュロメータを用いた硬さ測定を行った。撥水度は一定量の脱イオン水をスギ辺材の板目面に滴下し、1分経過しても浸透しなかった水質量を測定することで評価した。耐朽性は、鹿児島営林署管理地吹上試験地(鹿児島県日置市)にて1年間の土中埋設試験を実施した。その結果、硬さと撥水度については未処理のスギ辺材とほぼ同程度の値となったが、耐湿性と耐朽性については未処理材と比較して向上することが明らかとなった。このことから、反応液注入木材を屋外でも利用できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、木材由来成分のみを用いて木材を改質し、高い寸法安定性を有する木材を製造すると共に、その性能の発現機構を解明することを目的としている。今年度は加圧熱水処理反応液に含まれる有機酸類の詳細な分析を行うとともに、寸法安定性以外の性能評価を行った。その結果、反応液中にシュウ酸、ピルビン酸、乳酸、ギ酸、酢酸が含まれていることが同定され、これら有機酸類が5-HMFの変性を促進している可能性が高いことが示された。さらに、反応液注入木材は寸法安定性だけでなく、耐湿性や耐朽性も向上することが明らかとなり、申請時に提出した当初の研究計画に沿った内容でほぼ予定通りに進行したことから、(2)の区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初想定していなかった成果として、加圧熱水処理反応液中に含まれる有機酸類が5-HMFの変性を促進し、寸法安定性の向上に寄与している可能性が高いことが示されたことから、研究期間を1年延長し、シュウ酸以外の有機酸についても5-HMFに添加させてスギ辺材に注入し、寸法安定性を評価する。そして、寸法安定性向上に適した有機酸の種類や添加量を明らかにするとともに、有機酸類が加圧熱水処理反応液注入による木材の寸法安定性向上に及ぼす影響について詳細な検討を行う。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)