都府県酪農における新規参入の成功要因と推進課題の検討
Project/Area Number |
20K06287
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41020:Rural sociology and agricultural structure-related
|
Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
長田 雅宏 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 教授 (40610712)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 壯行 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 教授 (30247085)
古田 洋樹 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 教授 (30366794)
柴田 昌宏 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 教授 (60370631)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
|
Keywords | 酪農新規就農 / 協業経営 / 就農支援システム / (一社)全酪アカデミー / 担い手確保 / 酪農新規参入 / 担い手育成 / 都府県酪農 / 第三者経営継承 / 新規就農・離農農家実態調査 / 後継牛確保 |
Outline of Research at the Start |
持続的な酪農経営の発展には,後継者の養成と併せて新規参入経営の創出が重要な課題となっている。農林水産省は生乳生産基盤の強化のために,新規就農者の確保と担い手の育成に重点を置き,地域の関係機関が情報を集約し実践的な取組みを推進しているが,この取り組みは地域によって対応・対策が大きく異なる。さらに,就農者のおよそ半数が経営を中止しているのが現状であり,あらゆる視点から新規参入方法を検討する必要がある。 本研究の目的は,研修牧場制度の実証的分析と優良事例を踏まえて,新規参入を支援する協議会の設置および都府県型研修牧場の創設により,都府県における酪農新規参入へのアプローチと支援体制を構築する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
福岡県酪農業協同組合管内における新規参入の実態調査から、就農前のマッチング、有形資産、無形資産継承の現状を把握し、就農後のサポートについて課題を抽出した。この調査から就農後のタスクフォースの必要性が明らかになり、さらに調査を行うことで問題解決を試みた。関連誌や関係機関から情報を収集し、広島県酪農業協同組合の取り組みに注目し、11月21日に調査を行った。調査の結果、県酪農協を中心に関係機関、行政、金融機関、税理士による就農支援プロジェクトチームが設立されていたが、このチームによる就農後のサポートも充実しており、就農後に離農する経営が多い中で、持続的で発展的に営農されていた。これまでも多くの事例で属人的な支援を確認してきたが、就農支援システムを支える中心的な人材が不可欠であることが明らかになった。この調査報告と併せて、これまでの結果を令和4年度日本農業経営学会研究大会にて個別報告を行った。現在、内容を精査し情報誌への投稿を検討している。 啓発活動の一環として、11月18(金)千葉県佐倉市畜産組合連合会会員、近隣市町畜産農家、北部家畜保健衛生所、印旛農業事務所(企画振興課、改良普及課)、日本政策金融公庫千葉支店の各担当者併せて30名が参加する講演会において、新規参入の課題と今後の対応について意見交換会を行った。さらに、全国酪農業協同組合連合会青年女性研修会において、新規就農と畜産関連への就職の展望、「どうする都府県酪農を!」と題して講師に招来され、講演の後ちに学生6名を交えて新規参入者の発掘、対応に関する討論・グループディスカッションを行った。ここでは新たな新規参入の方策として注目されている一般社団法人全酪アカデミーと中央酪農会議が運営するポータルサイト「酪農家になりたい」の効果を改めて報告するとともに、大規模化を推進する農業政策に対して、新規就農への新たな課題を提言した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度はまん延等防止措置も緩和され、調査のため地方へ出向くことが可能となり、広島県、北海道などの調査を実施した。また、研究成果を発信するため千葉、東京にて酪農家、関係機関の出席のもとで報告会を開催することができた。2021年度は(一社)中央酪農会議の協力のもと、協業経営の冊子を作成し発行したが、十分な啓発には至っていない。啓発活動として、9月には日本農業経営学会研究大会にて個別報告を行い、報告では多くの学識経験者から指摘や課題を抽出することができた。しかし、2023年度は執筆が遅れているため論文・専門誌への投稿に挑みたい。現在、中国をはじめとする海外の事例を収集し、酪農経営の現状から新規就農に至るまでの方策を究明しているが、我が国の酪農新規就農の発展的展開に活かしたい。これらの成果を9月に行われる日本畜産学会の口頭発表で報告をするとともに、学会誌へ投稿する予定である。また、新たな課題として国が推進する経営規模の拡大と新規参入の間に立ちはだかる大きな障壁に対し、調査を行い問題解決を図りたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の主となる研究として、酪農教育ファームの実践を掲げている。酪農教育ファームは小・中学校を対象に酪農理解、興味の醸成など大変重要な活動である。この活動を通じて未来の担い手創出につながることから、新規参入の初期段階として注視している。具体的には付属牧場である富士アニマルファームは2022年度に酪農教育ファーム認定を取得したことから、プログラムの作成、集客方法などを検討、実践を通じて活動を充実したい。地域の貴重な酪農資源が意欲ある次世代に引き継がれるスタートアップとしてとして期待されている。 また、海外のシェアミルカー制度や内モンゴルの家族経営における酪農の事例調査から、我が国酪農の新規参入に示唆を与えると考えている。これらの研究も併せて遂行したい。
|
Report
(3 results)
Research Products
(4 results)