線条体神経回路における多細胞・多階層相互作用の解明
Project/Area Number |
20K06874
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
中野 高志 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (70579953)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 線条体 / シミュレーション / ドーパミン / 中型有棘細胞 / モデリング / 学習 / 多階層モデル / アセチルコリン |
Outline of Research at the Start |
大脳基底核の線条体は、2種類の投射細胞とコリン作動性介在神経細胞の多細胞相互作用によって強化学習とその柔軟性を実現していると考えられている。しかし多細胞相互作用に加えて細胞ネットワークの活動と細胞内シグナルの多階層相互作用があるためシステム全体の動態を捉えることは難しい。そこで本研究では分子から神経細胞ネットワークに至る多細胞・多階層モデルを構築し、シミュレーションによって学習の柔軟性の神経機構の背後にある線条体細胞ネットワークの動態を統合的に捉える。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、学習の柔軟性を支える神経基盤として、線条体神経回路の多細胞・多階層の動態をシミュレーションを用いて明らかにすることを目的とする。線条体神経回路は、大脳皮質・視床・中脳からの入力を受けて、直接路中型有棘細胞(D1-MSNs)および間接路中型有棘細胞(D2-MSNs)という二種類の出力ニューロンがそれぞれ異なる脳領域に投射し、行動選択や学習に重要な役割を果たすと考えられている。しかし、線条体神経回路において、皮質・視床・中脳からの入力がどのようにD1-MSNsとD2-MSNsの神経活動を制御するのか、またその制御にどのような線条体神経回路の多細胞・多階層相互作用と生物学的基盤が関与しているのかは、十分に解明されていない。本研究では、生物学的知見や実験データをもとにした数理モデルを構築し、コンピュータシミュレーションによってこれらの問題に迫ることを試み、今年度は特に対象を分子レベルに注目して線条体中型有棘細胞内での相互作用を明らかにする。そのために線条体中型有棘細胞における細胞内シグナル伝達経路のモデリングを行なった。モデル構築にはUrakubo et al., 20201を参考にしてMATLAB Simbiology toolboxを用いた。既存のモデルではドーパミンシグナルの他にグルタミン酸シグナルがモデル化されているが、細胞の興奮性や可塑性をシミュレートするために、PKAやCaMKIIといった主要なリン酸化酵素の下流にあるRap1などを新たにモデル化した。これにより、細胞内シグナル伝達経路が細胞の構造可塑性や学習能力に及ぼす影響を見通すことができるモデルの一部を構築できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は計画通り直接路中型有棘細胞のシグナル伝達経路のモデリングを行った。シグナル伝達経路モデリングにはUrakubo et al., 2020をもとにしてMATLAB Simbiology toolboxを用いて行った。既存のモデルではドーパミンシグナルの他にグルタミン酸シグナルがモデル化されており、大脳皮質、中脳からの入力や線条体局所回路からの入力を受けてPKAやCaMKIIといった主要なリン酸化酵素が活性化する。本研究では細胞の興奮性や可塑性をシミュレートするために、細胞内シグナルにおけるPKAやCaMKIIといった主要なリン酸化酵素の下流にあるRap1などのシグナルについて新たにモデル化に取り組んだ。今年度はRap1などのシグナルの一部についてモデル化を行った。またその他のシグナル伝達経路についても検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き直接路中型有棘細胞のシグナル伝達経路モデル構築を行う。実験データを説明できるようモデルのパラメータをフィッティングし、より生物学的に妥当なモデルを構築する。その後、シミュレーション実験やモデルのシステム特性の解析を行うことで、学習およびその柔軟性の生物学的基盤を明らかにする。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)
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[Presentation] Resting-state brain activity can predict target-independent aptitude in fMRI-neurofeedback training2022
Author(s)
Takashi Nakano, Masahiro Takamura, Haruki Nishimura, Maro Machizawa, Naho Ichikawa, Atsuo Yoshino, Go Okada, Yasumasa Okamoto, Shigeto Yamawaki, Makiko Yamada, Tetsuya Suhara, Junichiro Yoshimoto
Organizer
Neuro2022
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