オータプス神経モデルを用いた女性ホルモン依存性疾患に対する漢方薬の網羅的解析
Project/Area Number |
20K07121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47050:Environmental and natural pharmaceutical resources-related
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
窪田 香織 福岡大学, 薬学部, 講師 (60380557)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 漢方薬 / 神経ステロイド / ステロイドホルモン / 女性ホルモン / 月経前症候群 |
Outline of Research at the Start |
女性ホルモン変動関連疾患に処方されている漢方薬やその有効成分の神経機能における機序解明を目的として、網羅的かつスピーディーに解析できる女性ホルモン変動神経モデルシステムを構築し、当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸をはじめとする婦人科処方の漢方薬および構成生薬の神経形態・機能変化に対する影響を検証し、これら女性疾患処方漢方薬の精神神経作用の機序解明に繋げる。
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Outline of Annual Research Achievements |
女性ホルモンの顕著な変動は、多くの女性に月経前症候群(PMS)、産後うつ、更年期障害、記憶障害などを引き起こす。女性ホルモンは、受容体のサブタイプの発現変化やシナプス数の変化などの神経形態変化や、受容体の感受性の変化などによる神経伝達効率の低下など神経機能を変化させ、多くの症状の誘因となることが考えられている。これらの詳細な神経形態・機能変化を解析するため、PMSの病態解明や治療薬の効果検討を目的としたPMSモデル細胞の作成を目指した。 女性ホルモンのプロゲステロンは、脳内において神経ステロイドを合成し、GABA神経に作用する。神経ステロイドの中でも、3α,21-Dihydroxy-5α-pregnan-20-one(THDOC)はGABAA受容体調節物質であり、GABAA受容体が強く応答する。そこで、GABAA受容体調節物質であるTHDOCやプロゲステロンがGABA神経およびグルタミン酸神経に及ぼす影響についてアストロサイト・単一ニューロン共培養系を用いてPMS神経モデルとなりうるか形態学的解析により検討した。 多くの漢方薬は女性ホルモン変動関連疾患に用いられているが、それぞれの作用機序の差異や、作用の中心を成す構成生薬や有効成分などの詳細は不明である。そこで当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸をはじめとする婦人科処方の漢方薬および構成生薬をアストロサイト・単一ニューロン共培養系に処置し、ニューロステロイド合成酵素(5a reductase)、神経栄養因子(NGF, BDNF)などニューロン形態関連因子の挙動を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度よりアストロサイト・単一ニューロン共培養モデルを用いてTHDOCがP1 ICRマウスの線条体由来GABA作動性神経および海馬由来グルタミン酸作動性神経に及ぼす影響について免疫染色法を用いて形態学的に検討している。前年度よりTHDOC処置濃度の範囲を広げてそれぞれのニューロンに3日間処置したが、グルタミン酸作動性神経においてTHDOC添加による形態学的変化は認められなかった。昨年度よりはTHDOCと同様にプロゲステロンについても検討を進めているが、グルタミン酸作動性神経、GABA作動性神経ともに有意な形態学的変化は観察できなかった。現在の条件での単一ニューロン共培養系をもちいたPMSモデルの構築は難しいことが明らかとなった。 また、婦人科処方の漢方薬に多く含有される生薬をアストロサイト・単一ニューロン共培養系に処置し、ニューロステロイド合成酵素(5a reductase)、神経栄養因子(NGF, BDNF)などニューロン形態関連因子の挙動を解析し、それぞれの因子に対する効果を検討した。 神経ステロイド合成経路や神経形態に影響を与える生薬の同定を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の検討で、現在の条件での単一ニューロン共培養系をもちいたPMSモデルの構築は難しいことが明らかとなったため、最終年度は薬物処置の期間や培養条件を変更してPMSモデル細胞構築の可能性を探したい。 最終年度では、当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸をはじめとする婦人科処方の漢方薬だけでなく、精神症状改善に用いられる漢方薬および構成生薬にについてもアストロサイト・単一ニューロン共培養モデルでのニューロステロイドやその合成酵素(5a reductaseなど)、受容体(GABA, 5-HT など)や神経栄養因子などニューロン形態関連因子の挙動の解析を継続する。 その中で変動が生じた漢方薬(生薬)についてはニューロン形態や機能に対する影響も解析する。各漢方薬・生薬の効果を体系的に解析してカタログ化し、新規予防・治療法の構築に繋げる。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Kamishoyosan potentiates pentobarbital-induced sleep in socially isolated, ovariectomized mice2021
Author(s)
Egashira N, Goto Y, Iba H, Kawanaka R, Takahashi R, Taniguchi C, Watanabe T, Kubota K, Katsurabayashi S, Iwasaki K
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Journal Title
Journal of Ethnopharmacology
Volume: 281
Pages: 114585-114585
DOI
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Peer Reviewed / Open Access
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