Post-transcriptional control of spermatogonial stem cell self-renewal and differentiation
Project/Area Number |
20K07228
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48010:Anatomy-related
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
黒羽 一誠 横浜市立大学, 医学部, 助教 (50580015)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | エピジェネティクス / long non-cording RNA / 精子幹細胞 / 分化制御 / 翻訳制御 / 転写後制御 |
Outline of Research at the Start |
精子幹細胞が自己複製能を不可逆的に喪失し、精子形成へ向けて運命決定される一時期において、大規模なゲノム修飾が引き起こされる転換点が存在する。この大規模なゲノム修飾を起こすための鍵となる酵素(Dnmt3aとGLPタンパク質)の増加は、転写以後の段階で制御されることが示唆されている。本研究は、この転換点における転写後制御の実態を明らかにするため、1) mRNAの翻訳、2) タンパク質またはmRNAの分解、3) mRNA修飾、による制御の可能性について解析する。これにより、精子幹細胞の分化開始を規定する品質制御機構が明らかになるだけでなく、 不妊症の原因解明やその治療への応用も期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
精子幹細胞では、自己複製能を不可逆的に喪失し精子形成へ向けて運命決定される一時期において、大規模なゲノム修飾の変動が引き起こされる。この運命決定に関わる大規模なゲノム修飾の変化は、ゲノム修飾酵素(主にDNAメチル化酵素とヒストンメチル化酵素)の転写後レベルで起こる発現上昇に依存する。本研究は、ゲノム修飾酵素の発現上昇に関わる転写後制御機構を明らにすることを目的として、「翻訳制御」の可能性を中心に解析した。本研究の成果により、精子幹細胞の分化開始機構が明らかになるだけでなく、種の保存や、不妊症の原因解明とその治療への応用も期待される。 これまでに実施してきたRNA-sequencingのデータをストランド特異的に再解析した結果、D N Aメチル化酵素遺伝子の5’末端領域から、ゲノムブラウザであるUCSCなどに登録されていないAntisense long non-cording RNA (AS-lncRNA) が転写されていることを見出した。このAS-lncRNAの転写量は、DNAメチル化酵素量が上昇する時期と一致して、精子幹細胞から分化細胞への移行を境として大きく上昇していた。AS-lncRNAが、精子幹細胞の分化移行に伴う遺伝子発現変動に広く関わる可能性を検証するため、DNAメチル化酵素遺伝子と同様の傾向(分化細胞において、遺伝子の5’末端領域からAS-lncRNAを高発現し、かつ、センスmRNAの転写量に変化なし)の遺伝子を抽出した結果、この特徴を持つ遺伝子セットがクロマチン関連遺伝子に偏ることがわかった。さらに、これらクロマチン関連遺伝子の発現は、DNAメチル化酵素と同様に、分化細胞への移行を境としてタンパク質レベルで上昇していた。したがって、複数のクロマチン関連遺伝子が、AS-lncRNAを介して時期特異的な転写後レベルでの発現制御を受けていると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず、DNAメチル化酵素遺伝子の5’末端領域から転写されるAS-lncRNAをクローニングした。これをマウス精子幹細胞の試験管内培養系(GS細胞)に導入し、AS-lncRNAを過剰発現させた細胞株を取得した。この細胞株を解析した結果、AS-lncRNAの過剰発現がDNAメチル化酵素のタンパク質発現を誘導すること、また、その発現誘導がAS-lncRNAの長さに依存することを示す予備的知見が得られた。 同様に、複数のクロマチン関連遺伝子の5’末端領域から転写されるAS-lncRNAのクローニングを既に完了しており、GS細胞に導入予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
クローニングした各種AS-lncRNAをGS細胞に導入し、AS-lncRNAの過剰発現株を作成する。細胞株が取得でき次第、western blotとqRT-PCRで、対応するクロマチン関連因子の発現量の変化を解析する。クローニングしたAS-lncRNAの改変は容易であるので、変異型AS-lncRNAの作用を解析することで、AS-lncRNAを介した遺伝子発現制御の分子メカニズムに迫ることができると予想される。
|
Report
(3 results)
Research Products
(1 results)
-
[Journal Article] Tsga8 is required for spermatid morphogenesis and male fertility in mice2021
Author(s)
Kobayashi Yuki、Tomizawa Shin-ichi、Ono Michio、Kuroha Kazushige、Minamizawa Keisuke、Natsume Koji、Dizdarevic Selma、Dockal Ivana、Tanaka Hiromitsu、Kawagoe Tatsukata、Seki Masahide、Suzuki Yutaka、Ogonuki Narumi、Inoue Kimiko、Matoba Shogo、Anastassiadis Konstantinos、Mizuki Nobuhisa、Ogura Atsuo、Ohbo Kazuyuki
-
Journal Title
Development
Volume: 148
Issue: 8
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research