サイトカイン分泌経路を逆利用したHIVタンパク質輸送と細胞間伝播
Project/Area Number |
20K07518
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49060:Virology-related
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
森川 裕子 北里大学, 感染制御科学府, 研究員 (20191017)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | HIV / Gag / サイトカイン / 輸送機構 / 輸送経路 / 分泌経路 / 細胞間伝播 |
Outline of Research at the Start |
HIV Gagタンパク質の細胞内輸送の責任宿主分子を探索したところ、炎症性サイトカイン(TNFとIL6)分泌輸送の制御因子であるQc-SNAREが特定された。本研究では、免疫染色や生細胞分子イメージング等により、Gagタンパク質が炎症性サイトカインの分泌輸送経路により共輸送され相互促進されるのか、免疫細胞で明らかにする。次に、放出されたサイトカインの役割、すなわち標的細胞の誘引とHIV伝播を解析する。特に感染シナプス(感染細胞と標的細胞の細胞接着によるHIV伝播形式)では、Gagタンパク質と炎症性サイトカインの接着面への極性輸送を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
【HIV-1増殖におけるSTX6の役割】HeLaおよび293T細胞ではSTX6ノックダウン(KD)によるHIV-1粒子産生抑制を既に確認している。また、HeLaおよび293T細胞ではHIV-1 Gagタンパク質とSTX6の共局在および共輸送も既に確認している。これらを免疫細胞で調べた。STX6 KD/ノックアウト(KO)の免疫細胞(JurkatおよびU937細胞で)はHIV-1複製が抑制された。またこれらのSTX6 KD/KO細胞ではHIVの粒子形成も抑制された。免疫細胞(U937とTHP-1細胞)ではGagタンパク質とSTX6の共局在が観察された。 【TNFa輸送と分泌】免疫系細胞(Jurkat、U937、THP1細胞)では、HIV-1感染によりTNFa分泌が増加した。ところが、STX6を欠損させるとHIV-1感染によるTNFa分泌増加は認められなくなった。蛍光タンパク質で標識したGag、TNFa、STX6を用いてこれら3つの共局在と、Gag-STX6、STX6-TNFa、Gag-TNFaの共輸送を明らかにした。 【Gag、STX6、TNFaの相互作用】Gag-STX6の直接結合(Gag MAの第5ヘリックスとSTX6 SNAREドメイン)、STX6とTNFaの直接結合(STX6 C末端とTNFa細胞質尾部)が示された。Gag-TNFaは直接結合しなかった。 【感染シナプス】免疫細胞ではSTX6およびTNFaは形質膜全体に局在した。シナプス極性輸送は観察できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【免疫細胞】T細胞系(Jurkat細胞)を用いる予定であったが、TNFaはマクロファージからより分泌されるため、単球系(U937, THP-1細胞)を用いることに変更した。 【TNFa局在】免疫系細胞(Jurkat、U937、THP1細胞)では、HIV-1感染によりTNFa分泌が増加した。免疫細胞(U937とTHP-1細胞)を用いて内在性TNFaの局在が観察できた。従って、誘導型の蛍光タンパク質標識TNFaの発現細胞は樹立しないことにした。免疫細胞での生細胞イメージングはできないが、樹立できても得られる情報が少ないため。 【Gag、STX6、TNFaの相互作用】Gag-STX6の結合部位(Gag MAの第5ヘリックスとSTX6 SNAREドメイン)、STX6とTNFaの結合部位(STX6 C末端とTNFa細胞質尾部)が特定できた。 【感染シナプス】TNF1aはシナプス極性に輸送されない可能性が示唆された。さらに確認し決定する予定。
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Strategy for Future Research Activity |
【Gag-TNFaの相互作用】Gag-TNFaの間接的な相互作用(STX6を介する)を明らかにするため、MA欠損GagによるTNFa分泌を解析する。また、Gag発現によりTNFa分泌が増加するかを 【TNFaによる標的細胞の誘引】感染細胞からの産生されるTNFaにより標的細胞が誘引されるかを、transwellを用いたtransmigration assayとタイムラプスで解析する。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)