Rab27によるアレルギー反応制御の分子基盤の解明
Project/Area Number |
20K08796
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54020:Connective tissue disease and allergy-related
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
奥西 勝秀 群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (50401112)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | サイトカイン / アレルギー / Rab27 / 調節性分泌 / 肥満・糖尿病 |
Outline of Research at the Start |
サイトカインは、アレルギー反応の調節因子として重要な役割を果たしており、これまでのアレルギー分野の研究は、その生理作用や産生細胞の解明に焦点を当てて進められてきた。一方、これらサイトカインの分泌やその受容体発現の制御機構の詳細は、未だ不明な点が多い。本研究では、分泌制御蛋白質であるである低分子量GTPase Rab27と、それに結合して多様な作用を発揮するエフェクター分子群に着目し、それらがアレルギー反応において果たす役割を、細胞レベル、マウスを用いた個体レベル、両レベルの解析を用いて明らかにする。本研究の結果が、アレルギー疾患の新たな病態理解や治療標的同定に繋がることを期待する
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでの検討から、CD11c+ 抗原提示細胞(antigen presenting cells: APC)におけるその欠損がTh2応答や肥満・糖尿病を増強させる可能性が示唆されたRab27関連分子に焦点を当てて、解析を進めた。まず、昨年度までに得た結果の再現性を確認する実験を行い、これまでと同様、血球系の当該分子の欠損でTh2応答が増強することや、CD11c+ APC移入の系で、野生型マウス由来の細胞を移入されたマウスと比べて、当該遺伝子欠損マウス由来の細胞を移入されたマウスでインスリン抵抗性が増悪することを、再確認した。そして、本年度は新たに、当該遺伝子欠損マウス由来CD11c+ APCでは、野生型マウス由来の細胞と比較して、抑制性サイトカインであるIL-10の分泌が低下していることを見出した。更に、移入の系において、当該分子欠損マウス由来CD11c+ APCを移入されたマウスでは、野生型マウス由来の細胞を移入されたマウスと比べて、高脂肪食下での内臓白色脂肪織炎症が増強するという結果も得た。一方、野生型マウス、当該遺伝子欠損マウス、各マウス由来のCD11c+ APCのMHC-class II発現レベルに大きな差は無く、アロ抗原提示能にも差を認めなかった。また、当該分子の欠損は、Th細胞のTh1やTh2への分化能には影響しなかった。 近年、喘息と肥満・糖尿病との因果関係が注目されている。本年度申請者が得た結果からは、当該遺伝子の欠損により、CD11c+ APCからの抑制性サイトカインIL-10分泌が低下することで、アレルギー性気道炎症と、過栄養下で誘導される脂肪織慢性炎症(および、それに伴うインスリン抵抗性)の、両方の炎症病態が増悪する可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに申請者が独自に蓄積してきた十分量の予備的知見を基に、R4年度には、綿密な実験計画を練ることができた結果、無駄なく、非常に効率的に研究を遂行することができた。そして、研究実績の項で触れたRab27関連分子に関して、その欠損により、CD11c+ APC機能が修飾され、その結果、喘息や糖尿病の悪化につながる可能性を示唆する結果を得た。現在、これらの結果をまとめて国際的一流誌に投稿すべく、論文を作成中で、R5年度の早期に論文投稿予定である。 以上の成果を踏まえると、本申請研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
R5年度には、まずは研究実績の項で触れたRab27関連分子に関して、これまで得られた結果をまとめ、早々に論文投稿を行う。その後、得られたレビューワーコメントに応えるべく、必要なリバイス実験を迅速に行い、早期にアクセプトされることを目指す。また、その他のRab27関連分子に関しても、随時検討を行っていく。すなわち、その遺伝子欠損マウスにおけるマウス喘息モデルの表現型を最初に評価し、野生型との差を認めた遺伝子欠損マウスに関して、その主たる作用細胞を同定し、その細胞における当該分子の機能を解明できるよう、各種検討を行う。
|
Report
(3 results)
Research Products
(5 results)
-
[Journal Article] Exophilin-5 regulates allergic airway inflammation by controlling IL-33-mediated Th2 responses2020
Author(s)
Katsuhide Okunishi, Hao Wang, Maho Suzukawa, Ray Ishizaki, Eri Kobayashi, Miho Kihara, Takaya Abe, Jun-ichi Miyazaki, Masafumi Horie, Akira Saito, Hirohisa Saito, Susumu Nakae, Tetsuro Izumi
-
Journal Title
Journal of Clinical Investigation
Volume: -
Issue: 7
Pages: 3919-3935
DOI
NAID
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-