ヒト大動脈壁試料の解析からはじめる酸化ストレスを介した大動脈瘤の発症機序の解明
Project/Area Number |
20K09143
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55030:Cardiovascular surgery-related
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
田邉 佐和香 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (00401993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 翔平 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特別研究員 (00867848)
辻川 哲也 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (30380033)
今村 好章 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 准教授 (40223341)
岡沢 秀彦 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50360813)
糟野 健司 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (60455243)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 酸化ストレス / レドックス制御蛋白 / 酸化型NRX / 酸化型TRX / レドックス制御機能の破綻 / Osteoprotegerin / Osteopontin / Wnt/β-chtenin経路 / 大動脈瘤 |
Outline of Research at the Start |
大動脈瘤リスク因子である加齢や喫煙などの酸化ストレスと大動脈瘤の関連を調べるために、酸化ストレス特異的核種64Cu-ATSMが集積した部位を同定し、術中切離した大動脈壁で酸化ストレス関連分子をスクリーニングし、集積部で特異的にレドックス制御蛋白nucleoredoxin(NRX)、thioredoxin(TRX)の発現が低下していることを発見した。この予備実験から「レドックス制御破綻が動脈瘤形成のメカニズムに関与する」という作業仮説を導き出し、in vivoを含めたより直接的な手法でレドックス破綻による動脈瘤発症機序を究明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、酸化ストレスによるNRX, TRXの制御破綻が下流のレドックス感受性タンパク質の機能に影響を及ぼし、大動脈瘤が発症・進行する因果関係を明らかにするというものである。まずヒトの動脈瘤壁を酸化ストレスとの関連に焦点を置いて調べた。その中で、レドックス制御(酸化還元反応を制御する)タンパク質であるTRX, NRXのダウンレギュレーションとβカテニン(MMP2,9の転写調節因子)およびMMPs(タンパク質分解酵素、MMPによる大動脈壁の弾性繊維の断片化が動脈瘤の発生に関与していると考えられている)のアップレギュレーションを認めた。以上より、ヒト動脈瘤における酸化ストレスマーカー(64Cu-ATSM, 4hydroxy 2nonenal (HNE))とTRX, NRX, βカテニン, MMPsの発現との関連を見出した。さらに、H202がヒト培養血管平滑筋細胞(VSMCs)のNRX発現を低下させ、βカテニン発現を増加させること、NRXノックダウンがβカテニンおよびMMPを増加させることを見出した。このことから、酸化ストレスによるTRX, NRXのダウンレギュレーションは、βカテニンを介したMMP発現を亢進させ、動脈瘤を促進すると結論づけた。さらに、遺伝子改変モデルマウスを用いてNRXと大動脈瘤の関連を調べるため、Apolipoprotein E(ApoE)-/-ノックアウトマウスにAngiotensinII持続注入Alzetポンプを埋め込んで大動脈瘤誘発モデルの作成に取り掛かった。まずApoEノックアウトマウスを作成し、AngiotensinII持続注入Alzetポンプを埋め込んだ。8週間後に解剖し、動脈瘤の誘発状況を調べているが、現時点では安定して動脈瘤を作成できず、試薬の濃度やポンプの植え込み方法などを再検討中である。
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Report
(4 results)
Research Products
(1 results)