Project/Area Number |
20K09155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55030:Cardiovascular surgery-related
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
千本松 孝明 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70216563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 博之 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (40393235)
吉武 明弘 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70327550)
井口 篤志 埼玉医科大学, 医学部, 客員教授 (90222851)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ヒトiPS細胞 / 患者残余検体 / mRNA / インターフェロン / iPS |
Outline of Research at the Start |
患者組織から得られた初代培養細胞を用いた場合のヒトiPS誘導効率は極端に低下する。このプロジェクトでは、宿主細胞へのダメージが最も少ないと考えられる山中因子mRNAを用いて高効率なヒトiPS細胞の誘導法を確立し、誘導されたヒトiPS細胞の品質を評価していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
iPS細胞誘導時にゲノム点突然変異や遺伝子コピー変異等が確率的に混入し、iPS細胞としての品質は安定せず、臨床応用とりわけ安全面との間に大きな溝が残されている。加えて患者組織、すなわち治療過程で摘出された病的素因を有した組織(残余検体)もしくは老化が進んだ組織を用いてヒトiPS誘導した場合は極端に誘導効率は低下する。再生医療を必要とする変性疾患患者や高齢者の自家組織から誘導された良質なiPS細胞こそが本来必要とするiPS細胞と考える。このプロジェクトでは、宿主細胞へのダメージが最も少ないと考えられる山中因子mRNAを用いて高効率なヒトiPS細胞の誘導法を確立し、誘導されたヒトiPS細胞の品質を評価していく。 初年度から2年度は、Self-replicative RNA vectorからのRNAの精製効率の向上及び巨大mRNA導入による宿主細胞インターフェロン放出による細胞死を抑制のための実験系確立に注力した。SiRNA等の小さいRNAの導入とは異なり、巨大mRNAの導入では宿主細胞からのインターフェロン放出はどうしても避けられない。ほとんどの細胞は導入数日内に死滅に至ってしまう。そこでインターフェロン抑制剤B18Rの高濃度環境を構築してクリアーした。3年度以降はSelf-replicative human Tet-1 RNA vectorを作製し、これまでに確立し方法を組み合わせて、より高効率なヒトiPS細胞誘導法の検証を行った。現在これらの方法を用いて患者細胞や老化細胞をから分別された体細胞を用いてもヒトiPS細胞が誘導可能か、更にはこれらの細胞を用いて心筋細胞が誘導可能かの最終段階検証に入っているが、効率の検証が不十分であったため、1年間延長を申請させて頂き、検証作業を現在行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
安定した高品質ヒトiPS細胞の誘導のため、これまでに巨大なmRNA導入により誘導されるインターフェロン放出に関して、recombinantB18-Rを含有する培養液の作製及びB18R mRNAを組み込まれたベクター(B18R mRNA-E3L)を用いた遺伝子導入による高濃度B18-R環境を有する細胞培養の構築に時間を要した。当初は単純にrecombinantB18-Rを購入し培養液中に添加する方法をとっていたが、コストもかかり効率が悪いことが判明した。そこでB18R mRNA-E3Lを購入し、線維芽細胞に遺伝子導入し、培養液中に分泌されたrecombinantB18-Rと購入したrecombinantB18-Rを組み合わせることで極めて高濃度recombinantB18-R環境を構築可能となり、その結果宿主細胞死はほぼ抑制可能となった。その間 Self-replicative RNA vectorから高純度mRNAの精製の確立し、そしてSimplicon Cloning Vector (E3L)に脱メチル化遺伝子であるTet-1を組み込んだSelf-replicative human Tet-1 RNA vectorを作製し、極めて安定した高品質ヒトiPS細胞誘導法を確立している。現在当該研究室で確立したDNAエピソーマルベクターによるiPS細胞誘導をコントロールにして誘導効率及びそれを用いた心筋細胞誘導の検証を行っている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
本来であれば3年間でまとめるべき研究計画であったが、巨大なmRNA導入による安定した細胞誘導環境の構築に予想以上に時間を費やしたが、何とかクリアー出来た。前述したように病的体細胞や老化が激しい体細胞を用いたヒトiPS細胞導入効率は極めて低く、また誘導されても分化効率が悪く使い物にならないことが圧倒的に多い。また用いる体細胞によってもどの方法がbest wayとなるかやってみないとわからないことが多い。従って高効率な誘導法を数種類確立しておくことは極めて重要と考えている。その為、1年間研究延長させて頂き、得られた結果をこの1年で検証予定である。
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