GABAAサブユニット作動薬を用いたバーニングマウス症候群の新規治療法開発
Project/Area Number |
20K10171
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
野間 昇 日本大学, 歯学部, 教授 (70386100)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | バーニングマウス症候群 / 舌痛症 / 卵巣摘出 / 定量感覚検査 / 表皮内電気刺激 / temporal summation / CPM / 下降性疼痛抑制 / 神経障害性疼痛 / GABAAサブユニット |
Outline of Research at the Start |
バーニングマウス症候群(以下BMS)は、難治性口腔疾患で閉経後、女性の18-33%(日本人の500万人以上)が発症していると推定される。閉経モデルラットを用いて、舌粘膜の細径線維の状態、TRPV1 チャネル発現を観察しBMSの発症における性ホルモンの異常が神経障害性メカニズムに及ぼす影響を基礎的研究により明らかにする。閉経・慢性ストレスが下降性疼痛抑制との関連性、GABAA受容体サブユニットの構成変化をもたらすのかを分子生物学的、行動学的研究により明らかにする。またうつ傾向・不安傾向の高い患者(中枢性BMS)と末梢性BMS患者でのGABAAサブユニット作動薬の効果の違いを定量的に検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は卵巣摘出ラットにおける舌痛発症機構の検討を行った。卵巣摘出(OVX)を行ったOVXラットの舌の疼痛閾値と解剖学的変化を調べ、BMSの疼痛発症機序の一端を解明することを目的で基礎研究を行った。方法としてSprague-Dawley系雌性ラットを用い,OVXラットとOVXせず剖出のみ行ったShamラットを作製した。これらのラットの舌へ温度刺激および機械刺激を加え,舌ひっこめ反射閾値(Tongue-withdrawal reflex threshold:TWT)をOVX前後で測定した。また,OVXおよびSham処置後7日目にOVXラットおよびShamラットの舌の組織切片を作製し,免疫組織化学的染色にて神経線維マーカーであるPGP 9.5の発現様式と粘膜上皮層の厚さを調べた。結果:OVXラットの機械刺激に対するTWTは,OVX前と比較してOVX 7日目から14日目において,有意な低下を示した。しかし,Shamラットの機械刺激に対するTWTはSham処置前後で有意な変化を示さなかった。また,OVXラットのTWTはShamラットに比較して,OVX 7日目から14日目において,有意な低下を示した。一方,OVXラットおよびShamラットの温度刺激に対するTWTは,OVX前後およびSham処置前後で有意な変化を示さなかった。OVXの舌粘膜上皮層はShamラットと比較し有意に減少していた。また、舌粘膜上皮におけるPGP9.5陽性神経線維面積はShamラットと比較し減少傾向を示した。結論:卵巣摘出による性ホルモンの減少により、機械刺激に対する舌の痛覚過敏が誘発される可能性が示され、舌粘膜上皮の神経線維が減少したことから、神経障害性要素が痛覚過敏を引き起こす可能性の一つが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、BMS患者の臨床研究を行う予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により、令和4年度において患者のリクルートが困難であった。研究発表においても海外出張はおろか、国内出張さえ満足に行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
BMSと食事(味刺激)の関係を調べる。このために以下の臨床研究を行う。BMS患者の舌尖部に対し、ドイツ神経障害性疼痛研究ネットワーク(DFNS:現有)の13種類の検査法を用いて、感覚評価を行い侵害刺激、非侵害刺激に対する反応を調べ、健常者における反応と比較することで神経障害性疼痛に特有の所見が得られるかを調べる。BMS患者と健康成人において、カプサイシン投与前後で疼痛強度をVASで評価したのち、各種味覚(甘味、塩味、酸味、苦味)のいずれがその疼痛強度を修飾しうるかを全口腔法により調べる(カプサイシン投与前の疼痛修飾はBMS患者のみ計測)。いずれかの味刺激で疼痛修飾がみられるようであれば、片側舌前方2/3、片側舌後方1/3、両側舌前方2/3、両側舌後方1/3にそれぞれ当該味刺激を加えて、その変化を主観的・定量的に観察する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)