運動療法の継続がアポトーシスを抑制し脳梗塞後の神経細胞死を軽減する機序の解析
Project/Area Number |
20K11191
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
倉林 均 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70192036)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
|
Keywords | リハビリテーション / 脳卒中 / 神経細胞死 / アポトーシス / サイトカイン / 血管内皮障害 / 血小板活性化 / リハビリテーション科 / 運動療法 |
Outline of Research at the Start |
脳梗塞等の運動療法について、以下の解析・評価を順次施行していく。1. アディポカイン、炎症性サイトカインの評価。2. アポトーシスの評価。3. 血小板機能の評価。4. 凝固・線溶機能の評価。5. 血管内皮機能。6. リンパ球機能。7. 単球機能の解析。8. 脳梗塞後の神経細胞死の進展の評価 。9. 運動・物理療法のモダリティーと動脈硬化進展の抑制。これらの結果から、動脈硬化の進展阻止、脳梗塞の再発予防、脳梗塞後の神経細胞死の進展抑制のための、最良の運動療法プロトコールを開発していく。
|
Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞の亜急性~慢性期については、1) 軽~中等度の運動療法継続でCD4/8比、NK活性, リンパ球反応性 (PHA) は増大した。運動療法継続による細胞性免疫機能の強化が示唆された。2) 軽~中等度の運動療法の継続では、運動療法の施行時間に応じて血小板活性化 (βTG, PF4)、血管内皮障害 (TM, EC)、接着分子 (VCAM, ICAM, ELAM) の各指標が低下し、線溶系 (PIC)と抗凝固 (ATIII, TAT) の指標は増大した。運動療法の継続により抗血栓効果が発生し脳梗塞の2次予防に寄与すると考えられた。3) 運動療法によりアポトーシス (FasL, TNFR) や慢性炎症 (IL-6, IL-1β) の各指標は低下した。運動療法の継続により、アポトーシスは減少し、神経細胞死を抑制する可能性が考えられた。運動療法の継続は細胞免疫、線溶機能、抗凝固作用、血小板活性化、血管内皮機能、接着分子、炎症性サイトカイン、アポトーシス、神経細胞死を介して生体を調節していると思われた。脳梗塞の発症は、リンパ球・単球・樹状細胞の血管内皮粘着・侵入→動脈硬化巣の形成→内皮機能の障害→血小板の凝集亢進・線溶機能の低下→血栓形成→(サイトカイン・アポトーシス)→神経細胞死という過程をとるが、私達の先行研究では運動療法がこれら全ての過程に影響を及ぼすことが判明し、軽~中等度の運動療法の継続が高齢者脳梗塞の二次予防に寄与すると考えられた。このように運動療法の継続は、単に運動機能を改善するだけでなく、生体に多彩な効果を及ぼし、疾病予防や進展阻止に寄与する可能性がある。これらの先行研究を踏まえて本研究では、特に運動療法の時間や強度により炎症性サイトカイン、アポトーシス、神経細胞死にどのような影響を及ぼすかを解析し、運動療法の継続が脳梗塞予防や進展阻止に有用であることを示したい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ全ての研究データの測定が終了した。現在、研究期間の延長をして、疾患情報を診療録などから集積し詳細な解析をしている。
|
Strategy for Future Research Activity |
得られた測定結果と患者情報を解析し総括する。
|
Report
(3 results)
Research Products
(18 results)