”こころの推進力”の様態からみたアスリートの心理的問題の類型化
Project/Area Number |
20K11313
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | University of Tsukuba (2022) Kokushikan University (2020-2021) |
Principal Investigator |
中込 四郎 筑波大学, 体育系(名誉教授), 名誉教授 (40113675)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | スポーツカウンセリング / アスリート / こころの推進力 / アセスメント / 類型 / 相談事例 / 分類 / 事例 / アセッスメント / 心理的問題 / 見立て / 類型化 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、心理相談記録を分析資料として、“こころの推進力”(心理的エネルギー)の様態を手掛かりとすることで、アスリートの体験レベルに迫り、彼らの問題行動(主訴)の類型化を試みる。このことによってアスリート個々の問題行動を同一側面・水準からの特徴に基づいた類型化がなされ、それぞれの問題行動の特徴について体験レベルでの比較検討、そして理解を可能とし、その後の心理支援における有効な手掛かりが得られるはずである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではアスリートの心理相談におけるアセスメントあるいは診断だけでなく予後や治療にも関わってくる見立ての手がかりとなるであろう”こころの推進力”(心理的エネルギー)の様態を措定し、その有効性を検討することを目的とした。本年度は、精神医学や臨床心理学領域における心理的エネルギーに着目した代表的な理論を概観し、本研究における”こころの推進力”の様態を手がかりとする立場とそれらの関連性について検討した。さらにインテイク面接の段階での”こころの推進力”の様態に着目した情報収集に繋がる面接の観点を明らかにした。①生育歴や競技歴を踏まえながら聴く、②イメージないしは象徴レベルで聴く、③主訴の背景にある内的課題との関連から聴く、④個にとっての意味として聴く、と言った4つの観点であった。これらについては第9回アジア南太平洋国際スポーツ心理学会大会(9th ASPASP、、2022、マレーシア、クチン)にて発表した。また昨年に引き続き、アスリートの相談事例に対して”こころの推進力”の様態を適用し、分析検討を行った。分析対象となった相談事例は、「新環境移行に伴い躓いた女子学生アスリートの相談」(臨床心理身体運動学研究、20巻1号、2023)そして「イップスの問題を抱えた青年期アスリートの事例」(9th ASPASP)であった。”こころの推進力”の様態を手がかりとすることで来談時のアスリートの主訴や心理的体験に迫ることができ、また終結後のクライエントとの相談過程の振り返りを行う上で有効となることを主張した。本研究課題の申請段階では6つの類型を想定していたが、相談事例への適用結果や先行する心理的エネルギーに着目した治療理論等を踏まえると、限定された数のパターンに収めるよりもクライエント理解の手がかりとしての適用や活用の方が相応しいと思われ、さらなる検討の必要が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画では、研究課題に沿った自身の相談事例の分析結果の信頼性や妥当性を保証するために、国内の専門性の高いスポーツカウンセラーのもとでの個人的スーパーヴィジョン、並びに国内外の学会や研究会等での発表を通して意見収集を図ることを当初予定していたが、本年も引き続き新型コロナ感染症の影響により、当初の計画ほどには遂行できなかった。また、これまでの研究資料の分析結果から、当初の目的と関連しながらも新たな課題が生じ、引き続き検討する必要性が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究計画への補助事業の期間は、本来ならば令和4年度で終了するはずであったが、補助事業期間の延長が承認され令和5年度も継続できることになった。令和5年度も引き続き相談事例の分析において”こころの推進力”の様態を手がかりとしてアセスメントや見立てに適用し、その有効性について検討を重ねていく。特に、当初の計画段階では”こころの推進力”の様態に着目して仮説的に設定された6つの類型への当てはめの妥当性を主な検討課題としていたが、これまでの研究成果より、限定されたパターンに分類ための活用よりも、アスリートのクライエント主訴の理解や相談過程の分析、振り返りを目的とした活用の方が有効となることが示唆されたため、やや軌道修正を図り、臨床現場での有効活用について理解を深めていくことになる。なお令和4年度の研究成果の一部については、第28回ヨーロッパスポーツ科学学術会議、2023、パリ、フランス)にて発表する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(17 results)