赤土等流出問題を抱える沖縄県海岸部における海中生物音指標を用いた環境評価
Project/Area Number |
20K12196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63040:Environmental impact assessment-related
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
渡部 守義 明石工業高等専門学校, 都市システム工学科, 教授 (00390477)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 赤土等流出 / テッポウエビ類 / 水中音響 / モニタリング調査 / 環境評価 / テッポウエビ |
Outline of Research at the Start |
沿岸域の生物生息環境評価において生物量や生物活性のデータは不可欠であるが、海中においてこれらのデータの収集は困難である。本研究で用いる手法は、測定困難な水中生物量を水中マイク一本で概測するもので、海中発音生物であるテッポウエビ類個体の発音行動の副産物であるパルス音を利用することで、比較的広範囲の個体の生息状態を簡易に測定できる。本研究では、現在なお開発が進む沖縄県において赤土等流出が海岸生物生息環境に及ぼす影響および赤土等流出抑制対策による事業効果を、テッポウエビ類のパルス数観測により評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、沖縄県赤土等流出が海域の生物生息環境に及ぼす影響およびその対策効果を、赤土等流出水域において海中発音生物のテッポウエビ類の1分間当たりの発音回数(以降、パルス数)をモニタリングすることで明らかにすることを目的としている。コロナ感染症緊急事態宣言、蔓延防止法重点措置により令和2年度の沖縄県沿岸における現地調査の実施を見送った。令和3年度十分な感染症対策を講じた上、令和3年8月に実施した調査地点選定のための現地調査と沖縄県赤土等流出防止対策基本計画中間報告による赤土等流出状況を分析し、宜野座村漢那漁港周辺海域の3地点と沖縄県沿岸域の赤土等の流出状況が異なる5地点を設定した。宜野座村漢那漁港周辺海域は赤土等流出する河川の河口域2地点(影響区)と河口域から2kmほど離れた地点(対象区)において、パルス数の変動を比較する。また沖縄県沿岸部では赤土等流出海域として宜野座、屋我地、辺野古、赤土等流出がない地点として港川、屋我地の5地点のパルス数の変動を比較し、赤土等影響の有無とその度合いについて比較を行う。調査時期は、赤土等堆積が少ない梅雨前の春季、赤土等流出後の夏季、台風・海流等により赤土等が拡散した冬季の年3回とする。これまで令和3年8月、令和3年12月、令和4年3月、令和4年8月、令和4年12月、令和5年3月の7回実施した。全ての調査地点でテッポウエビ類にパルス音を観測できた。しかし、赤土等の影響がない地点でもパルス数が多いとは限らず、異なる生息環境のためパルス数の多寡に違いが見られた。研究期間が2年に満たないため、赤土等の流出状況とパルス数の関係性を見出すには至っていないが、冬季の水温低下に伴うテッポウエビ類のパルス数の減少を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ感染症緊急事態宣言、まん延防止法重点措置により令和2年度の現地調査ができなかったが、令和3年度よりコロナ感染症対策を講じた上で現地調査を令和3年8月から実施している。 宜野座村漢那漁港周辺海域の3地点と沖縄県沿岸域の赤土等の流出状況が異なる5地点を設定した。調査時期は、赤土等堆積が少ない梅雨前の春季、赤土等流出後の夏季、台風・海流等により赤土等が拡散した冬季の年3回とし、現在まで令和3年8月令和3年12月、令和4年3月、令和4年8月、令和4年12月、令和5年3月の7回実施した。現地ではテッポウエビ類のパルス数の他に水深、水温、塩分を測定しているが、赤土の指標であるSPSS(Suspended Particles in Sea Sediment(海域底質中の懸濁物質含有量))を測定していないため、令和4年12月から濁度とSSの測定を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間は令和4年度までであったが、テッポウエビ類のパルス数の変動を分析するためには、複数年間のデータを用いて検証する必要があるため、ずれ込んだ研究期間1年間分の研究期間の延長を延長する。また、調査頻度が年3回と少ないこと、地点間でテッポウエビ類のパルス数の多寡に違いがあるとから、地点間のテッポウエビ類のパルス数の変動を分かりやすく比較できる表現方法を提案する必要がある。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)