聴覚障害児の音声言語発達に関する研究:韻律情報を用いた検討
Project/Area Number |
20K13028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
喜屋武 睦 福岡教育大学, 教育学部, 講師 (80827014)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 聴覚障害児 / 韻律情報 / 文理解 / 楽音 / 知覚 / 音声言語発達 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,聴覚障害児の韻律情報の活用について音情報処理に関する諸能力との関係,そして言語力との関係性を明らかにすることを目的とする。そこで、まず1年目から2年目では非言語および言語的韻律情報の活用の関係について検討を行う。そして、2年目と3年目には韻律情報の活用能力と言語力の関係について検討を行う。本研究は非言語的韻律情報と言語的韻律情報の活用に関する相互関係を明らかにし,韻律情報の活用能力と言語力との関係性を明確にする可能性を秘めているため,聴覚障害児の音声言語発達評価における尺度作成へ貢献できると考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、聴覚障害児の韻律情報の活用について音情報処理に関する諸能力との関係、そして言語力との関係性を明らかにすることを目的とするものである。 そのために、1)非言語的韻律情報(楽音のリズムやメロディー)の活用能力と言語的韻律情報(アクセントやイントネーション)の活用能力には関係がある か、2)韻律情報に関するメタ言語的知識は韻律情報の活用にどのように反映されるのか、3)言語を理解する力と、その表出としての韻律情報の発話面での活 用能力には関係があるのか、について検討を行う。 2022年度は、上記のうち3)について検討を行った。対象は九州地方の聴覚障害児13名(小学部3年生~6年生)とし、まず、J-COSSを参考に文構造が異なる構文(3要素結合文、述部修飾文、など)を用いて4つの絵の中から文意を示す絵を一つ選択する多肢選択を用いて文理解力の評価を行った《文理解課題》。その後、文理解課題と同様の文を用いて、文意が他者に伝わるように発話させた《韻律発話課題》。なお、本研究においては発話の分析対象として、聴覚障害児でもその活用が比較的容易であると考えられるポーズ(無音区間)を取り挙げた。構文の理解度と発話における韻律情報の活用に関しては、文理解力の高い群と低い群では文意を言い分ける際のポーズの挿入箇所が異なる傾向にあることが示された。 本データの分析を進め、聴覚障害児における言語的韻律情報と非言語的韻律情報処理の関係性について明らかにすることは、聴覚障害児の音情報支援や言語発達支援につながるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度と比べ新型コロナウイルス感染症の影響に改善が見られた。そのため、研究協力先に出向いての対面での実験実施が可能となった。2021年度は研究協力先に出向いての調査が難しかったため、その遅れを補填するため、1年間の課題延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度実施した研究について、現時点では13名のデータを収集できている。より分析を深めるため、今年度も継続してデータの収集を行う予定である。また、今年8月に開催される日本特殊教育学会(横浜)において研究の進捗を発表する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)