エコシステムの衰退を招いたコア企業の戦略行動の類型化に関する研究
Project/Area Number |
20K13562
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Toyo Gakuen University |
Principal Investigator |
木川 大輔 東洋学園大学, 現代経営学部, 准教授 (10824980)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
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Keywords | プラットフォーム / エコシステム / ソーシャルメディア |
Outline of Research at the Start |
近年、企業間の競争と協調を捉える分析枠組みとして「エコシステム」という概念への注目が急速に高まっている。現実を見渡してみると、いわゆるGAFAに代表されるように、自社のエコシステムへ多くの補完企業や顧客を動員することに成功し、一人勝ち状態を続けているコア企業が多数存在する一方で、一度達成した一人勝ちのエコシステムを衰退に向かわせている企業が散見されるようになってきた。 そこで本研究では、エコシステムの衰退という現象に焦点を当て、それを招いた企業の戦略行動との関係・メカニズムの類型化を通じてエコシステムのガバナンスを論じる。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の3年目(最終年)にあたる本年度は、昨年度までに収集した1)ソーシャルメディア型のプラットフォーム・エコシステムの成長の停滞や成熟してからの再拡大などの事例、2)およびそれらを統合的に分析する理論的な枠組みを整理するための文献レビューに基づき複数の論文を執筆し学術誌に投稿した。このうち、2)については査読付きの学術誌に採択され、2022年度中に刊行された。 1)については、2022年度に2本の論文を学術誌に執筆した。具体的には1a)一度衰退しかけたエコシステムが、自らの持つ境界資源を見直すことで、従来のターゲットとしていた補完者とは異なる層の補完者からのエンゲージメントを引き出し、事業を成長させるプロセスに焦点を当てた。当該論文は、本報告書作成時点において、メジャーリビジョンの審査結果を経て再査読中ののステータスである。もう1本の論文1b)は、既に一定数のユーザー数を獲得した既存プラットフォーム・エコシステムが存在する市場に対する後発者の新規参入戦略に焦点を当てた。後発者の視点に立ち参入戦略を分析することで、本研究課題の主たるテーマである「エコシステムの衰退」プロセスを明らかにすることが目的である。 本来であれば、2022年度中に、1)の複数の論文についても学術誌への掲載を経た上で、個々の事例を貫く統合的な論理のブラッシュアップを行い、本研究全体のまとめを行うことが理想的であった。しかしながら、1b)の論文の査読プロセスの中で、追加で収集すべきデータ等が明らかになったため、研究期間の大半を追加データの収集に費やす必要があったため、研究期間を延長することとした。 現時点での見通しとしては、2023年度を研究最終年度とし、個々の研究成果を踏まえた統合的な理論的貢献を明らかにできる見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述した通り、2022年度の研究期間の大半は、学術誌へ投稿中の複数の論文に対するそれぞれの査読結果を踏まえ、追加のデータ収集などを行う必要があった。それらの目的は概ね達成されたが、本報告書作成時点において、いずれの論文も査読プロセスが完了しておらず、研究期間を1年間延長することとした。 そのため、「やや遅れている」と表現したが、2023年度中には当初予定した地点へ到達できる見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度を迎えるにあたり、新たなデータや事例を収集するというよりは、収集済みの事例とこれまでに蓄積した文献サーベイを踏まえ、個別事例を表面的に解釈したのみでは見落としてしまいそうな、各事例に共通するメカニズムを発見することを目指す。また、研究成果を社会に還元する上で、少しでも読者の多い学術誌に掲載されることを目指し、精力的に研究を続けていく。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)