磁力線方向流れがもたらす磁化プラズマ乱流構造形成を3次元非接触計測で解き明かす
Project/Area Number |
20K14443
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 14020:Nuclear fusion-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 広太郎 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (00782468)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 磁化プラズマ乱流 / トモグラフィ計測 / 流速シア / 磁化プラズマ / 乱流 / 構造形成 / トモグラフィ |
Outline of Research at the Start |
磁場閉じ込め核融合プラズマでは,乱流が形成するゾーナルフローやストリーマといったメソスケール構造がプラズマの熱閉じ込め性能を向上/悪化させることが分かっている.特に近年行われた理論研究では,メソスケール構造の形成に磁力線方向流速の勾配が影響を与えることが予測されている.そこで本研究では,メソスケール構造を形成する過程に対する磁力線方向を向いたプラズマ流れの影響を,トモグラフィを用いた3次元揺動計測およびレーザー・マイクロ波を用いた流速・密度分布の非接触計測を用いて明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,磁化プラズマ内部で生じる乱流が引き起こす構造形成と磁力線方向の流れシアの関係をレーザー計測やイメージング計測などの非接触計測を用いて明らかにすることを目的としている.本年度は計測により得られた投影行列からトモグラフィシステムで計測できる空間構造の制限を明らかにする手法の開発を行った.
トモグラフィは線積分量などの空間的に積分したデータの集合から元の分布を推定する手法である.トモグラフィに用いる投影行列は,観測領域内の空間点における物理量と計測データの写像関係を与える表現行列である.本研究で扱うプラズマ乱流計測トモグラフィで用いる投影行列は,観測領域で発せられたアルゴンイオンの発光分布を入力として受け取り,その際に得られる視線積分発光量データを出力する写像を表す表現行列と考えることができる.したがって観測できる空間構造は投影行列の写像の性質に制限されると考えられる.そこで本年度行った研究では,観測領域で生じる発光の空間分布を表現する基底関数を写像したベクトル同士の一次独立性を用いて空間構造の分解能を評価する手法を考案した.
この手法を用いることで,再構成画像のピクセル同士の独立性および任意の二次元上の直交関数系の観測領域内における独立性を判定することが可能になった.各ピクセルにおいてピクセル同士の独立性を判定した結果,計測器近傍では空間分解能が1cm程度と高く,観測領域内で計測器から最も離れる位置では3cm程度に低下することが明らかになった.また,周方向にフーリエ級数,径方向に矩形関数を用いたFRF基底関数同士の独立性を判定することで計測領域中心部(r<1cm)では周方向モード数m=3程度まで観測することができ,それより外側ではm=5程度まで観測できることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究目的としてトモグラフィ計測システムで観測できる空間構造の制限を定量的に示し,得られた結果を元に計測視線の設計を行うことを掲げていた.研究実績の概要に記載したとおり,投影行列の写像の性質を利用することで二次元上の任意の基底関数に対してトモグラフィシステムが感度を持つか否かを判定することが可能になった.磁化プラズマ中の乱流を特徴づける重要な物理量として周波数の他に断面内の波数が挙げられる.特に本研究で対象とする円筒プラズマでは周方向モード数および径方向波数の正確な値を取得することが乱流の分類を行う上で必要である.本年度開発した手法は,観測領域の各径方向位置で観測できる周方向モード数の限界を明らかにするとともにその周方向モード数を持つ空間構造の径方向の分解能を明らかにできたため,本研究遂行にあたって重要な進展であると考える.しかし本研究で対象とする現象をプラズマ中心部から周辺部にわたって観測する上で必要な視線配置の改良には至らなかった.対象とする現象を観測する上で必要な空間分解能を達成できる視線配置を決定するためには,現在用いている計測視線よりも観測領域の狭い光学系が必要であることが明らかになった. 本研究で必要となるトモグラフィシステム実現に必要な光学系の開発を本研究最終年度に行うことを予定している. 一方で,トモグラフィ計測で観測されたデータから揺動同士の非線形結合が示す時空間構造を明らかにする手法を確立することに成功した. このトモグラフィデータ解析手法に関する内容は論文としてまとめ終えており,現在communications physicで査読中である.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までの研究により,磁化プラズマ中の乱流計測を行うトモグラフィシステムの特性が定量的に明らかになった.本研究で最終目的として掲げている磁化プラズマ乱流の実験的分類を実現するためには,r>1 cmの領域でm=4の空間構造を観測できることが要求される.対象とする現象を観測する上で必要な空間分解能を達成できる視線配置を決定するためには,現在用いている計測視線よりも観測領域の狭い光学系が必要であることが明らかになった.そのため次年度は本研究で必要となるトモグラフィシステム実現に必要な光学系の開発を行う.現在用いている計測視線はコリメータを用いて計測領域を制限しているため,計測視線の間隔がコリメータ直径に制限されている.したがって,トモグラフィの空間分解能を高めるためにはこれまで以上に計測領域が狭く計測視線を密に配置できる光学系が必要である.そこで次年度は口径の大きいレンズとファイバーバンドルを用いたトモグラフィ計測視線の開発を行う.ファイバーバンドルを用いることで計測視線を1mm以下の間隔で配置することが可能になる. 十分な空間分解能を達成できる計測視線設計を実際に装置に導入し,2箇所の断面における乱流の空間構造を同時計測する.トモグラフィ計測データを解析するために我々が開発した手法を拡張し,2箇所で得られた再構成データから乱流の3次元波数スペクトルを抽出する手法を開発する.
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Report
(3 results)
Research Products
(14 results)
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[Presentation] PANTAプラズマにおけるモード間結合ダイナミクスの解析2020
Author(s)
山崎 広太郎, 藤澤 彰英, 永島 芳彦, 文 贊鎬, 稲垣 滋, 佐々木 真, 小菅 佑輔, 山田 琢磨, 糟谷 直宏, 井戸 毅, 河内 裕一, 赤司 智宏, 小林 大輝, 西村 大輝
Organizer
日本物理学会 2020年 秋季大会
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[Presentation] 直線型磁化プラズマPANTAにおける揺動の3次元ダイナミクス2020
Author(s)
文贊鎬, 稲垣滋, 永島芳彦, 山崎広太郎, 糟谷直宏, 小菅佑輔, 佐々木真, 井戸毅, 山田琢磨, 赤司智宏, 小林大輝, 西村大輝, 藤澤彰英
Organizer
日本物理学会 2020年 秋季大会
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