細菌挙動の理解に向けた走化性センサータンパク質のリガンド徹底解明
Project/Area Number |
20K15434
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 38020:Applied microbiology-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
緋田 安希子 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 助教 (70825760)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 青枯病菌 / 走化性 / センサータンパク質 / リガンド / 物質認識 / Ralstonia solanacearum / MCP |
Outline of Research at the Start |
走化性とは運動性細菌が周囲の化合物を感知して、集まる(または逃げる)行動である。植物病原菌 Ralstonia solanacearum は22種類の走化性センサーを保有するが、そのうちの14のセンサーについては何を感知するか、そのリガンドは明らかとなっていない。そこで本研究では、複数の化合物が含まれる“複合試料(牛乳や野菜ジュースなど)”と多数のセンサー変異株を用いることで、22すべてのセンサータンパク質のリガンド特定を目指す。また異なる条件下での22走化性センサーの発現パターンを解析することで、当該細菌がどのようなときに何に集まるのかを明らかにし、その情報から環境中での挙動を考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
青枯病菌Ralstonia solanacearumは22の走化性センサー(mcp01~mcp22)を保有するが、2つの走気性センサーと6つの化合物センサー以外は機能未知であった。昨年度までに、複合試料として液体肥料を用いた解析によりMcp10のリガンドを、精製Mcpを用いたスクリーニング(Thermal shift assay)によりMcp09のリガンドをそれぞれ特定することができた。 これまでにリガンドが特定された8つの化合物センサーを破壊したMCP八重破壊株(PSD8)を構築し、残るセンサーのリガンド特定を試みた。PSD8は主要な走化性物質への走化性を欠失しているため、多くの複合試料に対してあまり強い応答を示さなかったが、複合培地であるTriptic soy broth(TSB)に対して強い走化性を示すことが確認された。そこで、PSD8に追加で残るセンサー遺伝子をそれぞれ破壊したMCP九重破壊株ライブラリを構築し解析したところ、TSBへの走化性応答にはMcp19が関与することが判明した。さらなる解析の結果、Mcp19はTSB成分のうちAspとGluをリガンドとすることが明らかとなった。青枯病菌において20種すべてのアミノ酸を感知するセンサーはすでに特定されていたが、Mcp19はそれとは異なり、その他のアミノ酸への走化性は誘導せず、AspとGluに特異的センサーであることが示された。これにより、22のうち半数の11のセンサー機能が解明されたこととなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ライフイベントにより、予定していた残るセンサータンパク質のIn vitro解析(Thermal shift assayによるリガンドスクリーニング)やセンサー遺伝子の転写解析を行うことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
残る12の走化性センサータンパク質について、大腸菌で発現し精製した後、Thermal shift assayを利用したリガンドスクリーニングに供すことで機能特定を試みる。また、さまざまな培養条件下でのセンサー遺伝子の発現についても解析を行う。そして、それらの結果を総合的に判断することで、各センサー/走化性をどのような環境下で必要とするかを考察する。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)