Project/Area Number |
20K15739
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 43030:Functional biochemistry-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本間 悠太 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (70812642)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | Rab / 小胞輸送 / 分泌経路 |
Outline of Research at the Start |
可溶性分泌タンパク質や膜タンパク質は、小胞体で合成された後、ゴルジ体を経て細胞膜へと送達される(分泌経路)。各オルガネラ間の積荷分子の輸送は小胞を介して行われるが、どのようにして小胞を適切な目的地へ仕分け、輸送しているのかについては未だ不明な点が多く残されている。本研究では、分泌経路を制御する低分子量Gタンパク質Rab6に焦点を当て、その分子メカニズムの解明を目的とする。具体的には、Rabの機能を理解するために必要な、特異的な結合分子(エフェクター)を同定するため、生化学的・遺伝学的アプローチを駆使して、新規のRab6エフェクターを同定し、詳細な分子機構に迫ることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
分泌経路は、細胞が分泌分子(可溶性分泌タンパク質や膜タンパク質)を細胞外(細胞膜)へと輸送する主要な経路であるが、特にゴルジ体以降について、どのように分泌分子の輸送・選別が行われているか不明な点も多い。これまでの研究で、低分子量Gタンパク質であるRab6のノックアウト細胞が、基底膜形成不全と分泌不全(および分泌分子のリソソームへの蓄積)の二つの表現型を示すことを明らかにしていた。そこで本研究では、Rab6による分泌経路の制御機構を解明するため、Rab6との結合が報告されている分子(エフェクター)のうち、ELKS、Bicaudal-D、VPS52、GCC185、TMF1の5種類に着目した。これらのエフェクター候補遺伝子のノックアウト細胞を作製し、Rab6ノックアウト細胞と同じ表現型を示すかどうかを解析した。 まずこれらのノックアウト細胞の基底膜形成を調べたところ、いずれにおいても基底膜に顕著な影響は見られなかった。従って、基底膜形成においては、Rab6は別のエフェクターを介して機能していると考えられた。続いて、シグナル配列を付加したGFPをモデル分泌分子としてエフェクターノックアウト細胞に発現させることで、分泌効率のアッセイを行った。その結果、VPS52のノックアウト細胞において、Rab6のノックアウト細胞と同様に分泌の抑制が見られた。また、モデル分泌分子はVPS52ノックアウト細胞およびRab6ノックアウト細胞において細胞内の蓄積量が増加しており、それらはリソソームに分布することが明らかとなった。これらの結果から、Rab6はVPS52との相互作用を介して逆行性小胞輸送を促進することにより、分泌経路を制御している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、既知のエフェクター候補遺伝子のノックアウト細胞を作製し、Rab6と同じ表現型を示す遺伝子としてVPS52を同定することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はVPS52のタンパク質機能を詳細に解析するため、様々なアミノ酸欠失変異体や置換変異体を作製し、VPS52ノックアウト細胞のレスキュー実験を行うことで、アミノ酸領域と機能との関連を解析する。またこれらの変異体とRab6との相互作用を解析し、Rab6とVPS52の機能的関連を明らかにする。 当初予定していたCRISPRを用いたゲノムワイドノックアウトスクリーニングについては、すでにVPS52を同定できたため優先順位は下がるが、Rab6依存的な分泌経路に関連する他の遺伝子をさらに網羅的に同定するため、検討を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)