Project/Area Number |
20K15777
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 43060:System genome science-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
弘澤 萌 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (10849566)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | CRISPR-Cas / Anti-CRISPR protein / CRISPR-Casシステム / 抗CRISPRタンパク質 / ゲノム編集 |
Outline of Research at the Start |
生物の遺伝情報の総体「ゲノム」を自由自在に改変する技術が「ゲノム編集」であり、医療分野を含め様々な分野への応用が期待されている。特に、CRISPR-Casシステムはその簡便さから多くの研究室で使用されている。 最近、CRISPR-Casシステムを阻害するタンパク質「抗CRISPRタンパク質(Acr)」が発見されゲノム編集を制御する新規ツールとしての期待が高まっている。 本研究ではこのAcrに注目し、これを利用することで、CRISPR-Casシステムをより高性能化することを目指す。 本技術は、遺伝子の機能解析に代表される基礎研究や遺伝子治療に貢献できることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、抗CRISPRタンパク質(Acr)を Casタンパク質に対するリクルーターとして再構築し、Acrを新規ゲノム編集のツールとすることを目指している。 本年度は塩基編集が可能であるかどうかを検証した。塩基編集を簡便に確認するために、塩基編集が起こるとGFPがBFPに変換される系を利用した。具体的には、GFPがゲノム上に組み込まれたiPS細胞を利用した。つまり、塩基編集が起こるとGFPがBFPに変換されるので、この変化をFACSにより解析し塩基編集の有無を確認した。 AcrllA5にTadA*(E. coli tRNAアデノシン脱アミノ化酵素の変異体)を融合することで塩基編集が可能かどうかを上記レポーター系により検証した。様々なコンストラクトを作製し検証した結果、効率はかなり低いがBFP陽性細胞の出現を確認した。そこで、このBFP陽性細胞に望みの変異が導入されているかどうかをシーケンスにより検証した。結果、望みの位置に変異(AからGへの変異)を確認することができた。この結果は、AcrllA5にTadA*を融合することで塩基編集が可能であることを示唆している。上記結果は前年に引き続きAcrllA5に任意のタンパク質を融合させることでSpCas9に任意のタンパク質をリクルートできる可能性を支持するものである。 以上より、Acrに任意のタンパク質(ここではTadA*)を融合させることでAcrを介した塩基編集が可能であることを実証し、Acrを介した機能制御の範囲を拡大することに成功した。ゲノム編集ツールの拡張は本分野において重要であり、本成果もそれに貢献できているのではないかと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、AcrllA5に任意のタンパク質を融合させることで塩基編集が可能かどうかを検証した。そこでAcrllA5にE. coli tRNAアデノシン脱アミノ化酵素の変異体であるTadA*を融合させた (AcrllA5-TadA*)。塩基編集が起こるとGFPがBFPに変換されるレポーター系(ここではGFPをゲノムに組み込んだiPS細胞)を用いた。結果、AcrllA5-TadA*を使用することでGFPからBFPへの変換を確認した。また配列確認を行ったところ、標的配列において所望の変異(AからGへの変異)を確認した。これらの結果は、AcrllA5にTadA*を融合することで塩基編集が可能であることを示唆している。 AcrllA5の機能拡張(塩基編集)が可能であることを実証したことより、現在までの進捗状況としては「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、Acrによる新規ゲノム編集法をproof of conceptとして論文にまとめる。そのために、これまでに実証したことを補完する実験が必要であれば行っていく。また、再現性の確認を再度行う。加えて、可能であればこれまでに作製したコンストラクトを改善できないかを検討する。
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