IBD関連腫瘍におけるSATB2発現に関与する分子生物学的メカニズムの探索
Project/Area Number |
20K16170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
岩谷 舞 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (70850361)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | SATB2 / 炎症性腸疾患関連腫瘍 / Claudin 18 / 潰瘍性大腸炎 / クローン病 / 腸炎関連癌 / 炎症性腸疾患 / 腺癌 / 炎症性発癌 / 大腸癌 |
Outline of Research at the Start |
近年増加傾向である潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患を背景とする腸炎関連癌の発癌メカニズムについての検討を行う。 腸炎関連癌の発症は、繰り返される粘膜障害に伴う遺伝子変異と密接に関連していると考えられている。またIBDを含む多くの炎症性疾患における発癌には、メチル化異常が関与していることが知られている。腸炎関連癌では大腸マーカーであるSATB2の発現低下が知られており、SATB2発現低下はリンパ節転移と関連があるが、SATB2発現低下のメカニズムは未だ明らかとなっていない。 本研究ではSATB2の陰転化のメカニズムについて、メチル化異常を含めた分子生物学的解析、臨床病理学的検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
炎症性腸疾患を背景に、大腸粘膜の活動性炎症を原因とする大腸癌は腸炎関連大腸癌(Colitis associated colorectal carcinoma:CAC)と称されれており、散発性大腸癌(sporadic colorectal carcinoma: sporadic CRC)と比して多彩な組織像を呈する。またCACではsporadic と遺伝子学的に異なる変異を有する事が知られている。本研究の目的は、CACにおける組織形態学的所見と分子生物学的態度の相関を明らかとする事であり、以下の2点に焦点を当てた検討を行った。
①CACにおいて大腸マーカーであるSATB2が有意に低下する事を踏まえ、SATB2陰性CAC症例、SATB2陽性CAC症例を抽出してRNA-sequence(NGS)を施行し、遺伝子発現についての比較検討を行った。→得られたデータを元に、GSEA解析(Gene Set Enrichment Analysis)を施行したところ、SATB2陰性症例ではSATB2陽性症例と比して有意に発現低下を示す複数の遺伝子がある事が明らかとなった。これらの結果から、SATB2陰性化によって、その他の遺伝子群の発現低下を来している可能性、またはSATB2陰転化は、更に上流に起きたイベントによって、その他の遺伝子発現低下と同様の変化を来している可能性が考えられた。
②CACの予後に関与する、ないし治療に寄与しうるバイオマーカーを検出し、組織学的所見との相関を見出す。→大腸におけるCACにおいて、Claudin18.2が有意に高発現し、胃・食道腺癌においてPhase 3治験施行中のClaudin 18.2抗体薬の治療対象となる可能性を示唆した自身の検討を元に、Crohn病関連小腸腫瘍に対し免疫染色を施行したところ、32%がCLDN18陽性であり、治療対象となる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
約60例のCAC症例を収集して免疫組織学的検討を行い、CAC症例はsporadic CRCと比して有意に大腸形質を消失し、胃型形質を発現している事を明らかとした。またCACはsporadic CRCと比して有意にCLDN18(isoform 2)を発現している事を明らかとし、CLDN18.2 monoclonal antibodyであるzolbetuximabが治療選択肢となりうる可能性を明らかとした。
SATB2陽性CACとSATB2陰性CACに対しRNA-sequence(NGS)を行い、GSEA解析の施行及び結果の解釈が当初の予定に比して時間を要したものの、SATB2陰性例では複数の遺伝子発現低下が起きている事が明らかとなった。その要因としてSATB2陰転化にメチル化が関与している可能性を考え、メチル化解析の施行を試みているが、プライマー設計や手技取得等で時間を要している。但し、本年度の施行は可能と考える。
CLDN18発現の検討については小腸におけるCrohn病関連腫瘍において免疫染色は完了しており、順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
RNAシークエンス解析にてSATB2陽性CACとSATB2陰性CACで発現の差異があった遺伝子と発癌との関連性を調べ、その機序について検討を行う。SATB2陰性症例ではSATB2陽性症例と比して有意に発現低下を示す複数の遺伝子がある事が明らかとなったが、これらの結果がSATB2陰性化がキーとなってその他の遺伝子群の発現低下を来しているのか、またはSATB2陰転化は、更に上流に起きたイベントによって、その他の遺伝子発現低下と同様の変化を来しているのかを明らかとする。 SATB2発現陰性化の機序の可能性として考えられるSATB2遺伝子のメチル化についても定量的メチル化解析法であるMethylation Specific PCR(MSP)法等で解析を追加する。 小腸におけるCrohn病関連腫瘍については形態学的所見と免疫染色態度の比較検討を行い、その稀な病態について更に詳細な検討を行う。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)