Project/Area Number |
20K16186
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
|
Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
西村 優基 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 修練医 (80870055)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
|
Keywords | 皮膚付属器腫瘍 / SOX9 / computational pathology / 機械学習 / 全エクソーム解析 / 腫瘍内不均一性 |
Outline of Research at the Start |
皮膚付属器腫瘍は稀な腫瘍であるが、種類が非常に多く、その診断は形態上の微妙な差異からなされることもあり診断に苦慮することも多い。その上、現在のところこれらの鑑別に有用な分子マーカーは見つかっていない。その原因の一つには、付属器腫瘍について十分に分子生物学的な解析が行われていないことが挙げられる。我々は毛芽に発現するSOX9に着目し、その付属器腫瘍における発現や機能を解析することで、皮膚付属器腫瘍の病理診断の基準を確立し、治療につなげていくことを目指している。
|
Outline of Annual Research Achievements |
転写因子であるSOX9は、ノックアウトマウスやトランスジェニックマウスを用いた発生学的実験で毛包および脂腺器官の分化に重要な役割を果たすことが明らかにされた。これまでにも基底細胞癌をはじめ、様々な付属器腫瘍での発現が報告されているが、先行研究では少数の腫瘍について検討したに過ぎず、SOX9の皮膚付属器腫瘍における発現や診断における有用性は未だ明らかではなかった。本研究ではまず、良性・悪性を含めた多種類の組織型の皮膚付属器腫瘍および扁平上皮癌についてSOX9の発現を、免疫染色によって比較検討し、それぞれの染色強度や陽性細胞の局在を明らかにすることとした。国立がん研究センター中央病院における皮膚腫瘍185例を抽出し、SOX9抗体を用いた免疫組織科学染色を行った。免疫染色した組織切片はすべてwhole slide imagingによるバーチャルスライドを作製し、オープンソースの優れた病理画像解析ソフトウェアであるQuPathを使用して陽性率およびH-score(陽性率+染色強度のスコア)を算出した。また、プログラミング言語のPythonやRを使用して可視化や統計処理を行った。結果としてSOX9はそれぞれの正常付属器および皮膚付属器腫瘍において特徴的な発現を示し、しかも腫瘍は分化している正常の付属器と類似した発現が見られることが明らかになった。実際の付属器腫瘍診断において有用であることを示した。上記の解析を通して、腫瘍内でSOX9の発現が著明に異なる付属器癌3例について、形態およびゲノム解析を行った。具体的には形態解析はQuPathによって抽出された腫瘍細胞の形態情報をUMAPによる次元削減後、ガウス混合法による教師なしクラスタリングを行った。この形態的クラスタリング結果とSOX9発現を元に、1切片内で多領域サンプリングを行い、それぞれの領域について全エクソーム解析を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は付属器癌3例について計20か所以上のマルチサンプリングを行い、それぞれで全エクソーム解析を行い、体細胞変異を元に系統樹を作成、変異シグナチャー解析、コピー数変化解析、TMBの比較を行った。これらタンパク発現、ゲノム情報と形態解析といった複合的な解析により付属器癌の不均一性が明らかになり、更に今後の治療につながり得る知見が得られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在上記の知見をまとめて論文投稿準備中である。
|