近赤外蛍光性ホウ素中性子捕捉療法薬剤のアルブミン多量体を用いる高効率腫瘍送達法
Project/Area Number |
20K16773
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
|
Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
尾江 悟 昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (90756107)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | ホウ素中性子捕捉療法 / 光イメージング / アルブミン / ホウ素含有蛍光色素 / EPR効果 |
Outline of Research at the Start |
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、腫瘍に集積性を示すホウ素含有薬剤を投与した後、熱中性子線を照射して発生するα線を利用し、腫瘍細胞を傷害するがん治療法である。申請者は、体外から薬剤の挙動を追跡することでBNCT適用可否の診断が可能な近赤外蛍光性BNCT薬剤の開発を行ってきた。しかし、実用化にはホウ素をさらに効率的に腫瘍細胞内へと送達する必要がある。そこで本研究では、①腫瘍に送達されるホウ素の割合を高める輸送体としてのアルブミン多量体と、②輸送体に対して適度に結合し、腫瘍細胞内へ移行しやすい新たなホウ素含有近赤外蛍光色素を創製し、①と②を融合することで、BNCTのためのホウ素高効率腫瘍送達法の開発に挑む。
|
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、BNCT適用可否の診断とBNCTによる治療の両方を可能とするBNCT用薬剤としてホウ素含有近赤外蛍光色素の開発を行ってきたが、その実用化にはより効率的な腫瘍送達が必要であると考えられた。そこで、本研究では、腫瘍組織へのホウ素の高効率送達を目指して、① アルブミン多量体と、② 新たなホウ素含有近赤外蛍光色素を創製し、③ ①と②を融合したBNCTのためのホウ素高効率腫瘍送達を可能とする薬剤の開発を進めている。 ① アルブミン多量体の創製では、化学的な手法を用いてアルブミンを2量体~4量体の多量体とし、輸送担体の腫瘍間質への集積性向上を目指す。令和4年度は、令和3年度までに得られた2量体について標的指向性の向上を目的としてがんで過剰発現するインテグリンに対して高い結合親和性を示すRGDペプチドを導入し、その体内動態評価を行った。RGDペプチドの導入によって腫瘍/血液比は向上したが、正常な臓器である肝臓や脾臓への集積が増加した。今後、最適化検討を行う予定である。 ② 新たなホウ素含有近赤外蛍光色素を創製では、アルブミンに対して適度に結合して腫瘍組織に運搬され、腫瘍組織でアルブミンから解離して腫瘍細胞内へと移行しやすい化合物の開発を目指す。令和4年度は、令和3年度に得られた3つの候補化合物について体内動態評価を行った。血中滞留性が高い化合物ほど、腫瘍組織に高く集積したことから、血中タンパク質への結合が化合物の腫瘍組織における集積に影響する一因であることが示唆された。今後、化合物の腫瘍集積の違いに関するメカニズムについて検証を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国際情勢の変化により、試薬の輸入等に影響が出たため。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、② 新たなホウ素含有近赤外蛍光色素を創製について、候補化合物の腫瘍組織への集積メカニズムの解明を行う。また、③ ①と②を融合したBNCTのためのホウ素高効率腫瘍送達について、アルブミン2量体と得られたホウ素含有近赤外蛍光色素からなる薬剤としての体内動態評価を実施する。
|
Report
(3 results)
Research Products
(1 results)