Project/Area Number |
20K16777
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
|
Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
草野 広樹 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 計測・線量評価部, 研究員 (10547615)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
|
Keywords | 標的アイソトープ治療 / X線 / イメージング / 位置敏感型検出器 / ピンホールカメラ |
Outline of Research at the Start |
α線を利用した標的アイソトープ治療は、転移性の悪性腫瘍に対して効果の高い全身治療法として期待されており、At-211は標的アイソトープ治療に用いるα線放出核種の有力な候補である。現在、放射性薬剤の開発および治療計画の最適化のため、薬剤の体内動態の把握は重要な課題と認識されている。本研究では、At-211を利用した放射性薬剤の生体内分布について、生体外部から詳細かつ定量的な可視化を行うためのイメージング技術を開発することを目的として、X線ピンホールカメラの開発研究を実施する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
アルファ線は飛程が短く線エネルギー付与が高いため、アルファ線による標的アイソトープ治療は、通常の細胞への影響を抑えつつ標的細胞の高い治療効果が期待できる。At-211は、標的アイソトープ治療に用いるアルファ線放出核種の候補である。放射性薬剤の開発のためには、薬剤の体内動態の把握や、薬剤による臓器の被ばく線量の評価が不可欠である。本研究の目的は、生体外部からAt-211を含む放射性薬剤を可視化する技術を開発することである。 2022年度は、X線イメージングカメラの試作機を利用し、At-211のイメージング試験を実施した。X線イメージングカメラは、前年度までの成果により、モノリシック型シンチレータ(NaI(Tl)、50 mm×50 mm×3 mm)と位置敏感型PMT、およびピンホールコリメータ(タングステン、開口部0.7 mm角)で構成した。At-211核種を含む溶液を小型のピペットチップ先端(内径約1 mm)に保持し、X線イメージングカメラで観測した。実験の結果、At-211の崩壊に伴うPoの特性X線(77-92 keV)を利用して、At-211の分布をイメージングできることを確認した。コリメータから13 mm離れた位置に設置したAt-211溶液試料について、Po-X線に対する感度は約101 cps/MBq、PoのKα-X線(78.4 keV)に対するエネルギー分解能は約12.9%(FWHM)であった。また、この場合のカメラの有効視野は約20 mm角であり、システム空間分解能は約1.7 mm(FWHM)と見積もられた。これらは、シミュレーション計算およびガンマ線較正線源を用いた予備実験から期待される結果とほぼ同じであった。したがって、At-211核種は、特性X線を利用することで、比較的簡便な構成の機器を用いて、十分に高い空間分解能で可視化できることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題において計画していた内容は、X線イメージングカメラを製作し、At-211を高い空間分解能で可視化することを示したことで、ほぼ達成することができた。ただし、COVID-19による制限があり、国際会議での成果報告を延期したため、当初の研究計画からは遅れが生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
国際会議等において、本研究で得られた成果を発表する。広い分野の研究者と議論することで、放射性薬剤の可視化や被ばく線量の評価へ活用することを検討する。
|