放射線治療における放射線誘発コホート効果による細胞間相互作用の解析
Project/Area Number |
20K16782
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
寺島 真悟 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (00583733)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | コホート効果 / 非標的効果 / 放射線治療 / 放射線誘発コホート効果 / 細胞間相互作用 / 分割照射 |
Outline of Research at the Start |
照射された隣接細胞どうしによる細胞コミュニケーションにより相互作用をもたらす放射線誘発コホート効果という現象が報告されている。コホート効果により、放射線治療における細胞のダメージは必ずしも線量に応じて増加しない可能性がある。本研究では、不均一な線量分布の細胞を作成し、より臨床に近い細胞応答を観察するため放射線治療における多門照射による線量分割を条件としX線照射を行い、放射線誘発コホート効果の影響明らかにすることを目的としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では、不均一な線量を照射された細胞モデルを作成し、放射線治療における放射線誘発コホート効果による細胞間相互作用の影響を評価する。コホート効果とは、放射線を照射された隣接細胞どうしの細胞間相互作用により、細胞生存率などに影響を及ぼす現象である。高精度放射線治療では、腫瘍に線量を限させ空間的に非常に急激な線量変化が起こるが、放射線生物学的側面からそのような影響の検討はされていない。 令和4年度は、不均一照射に対する物理的な接触を阻害しない共培養での細胞生存率の評価及び、不均一照射に対する放射線誘発コホート効果の作用機序の解明を目的としてヒト口腔扁平上皮癌細胞SASを用いて研究を行った。不均一な線量を照射された細胞を区別し解析するため、トレーサーとしてCellTrace Far Red (Invitrogen) を用いて細胞を標識し解析対象の4 Gyを照射した標識細胞と、非標識の細胞を混ぜて培養し不均一な線量を照射された細胞とした。非標識の細胞は、4 Gyを基準とし、その0、20、80、100%を照射した。不均一線量を照射された細胞は、既定期間培養後、フローサイトメーターで測定し、 CellTrace Far Redの蛍光強度を用いた増殖モデリング解析により、分裂した細胞の平均分割数であるProliferation index (PI)と増殖率の指標であるExpansion index (EI)を算出した。0、20、80、100%と混合する非標識細胞の線量が増加するに従い、4 Gy照射された細胞のPI及びEIが増加する傾向が観察された。PI及びEIの結果より、共培養する非標識細胞の線量増加に伴い増殖能が増加することが示唆された。これらは液性因子のみに着目して評価を行ったコホート効果の研究の結果と同様の傾向であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は、大学の人事交流により申請者が大学病院でのスタッフとして週4日の勤務を行うこととなり、実験時間が制限されたこともあり、研究全体の進捗が遅れた。 また、異種性の細胞群を解析する際に利用される蛍光プローブである試薬を用いて、照射前に細胞をマーキングし、異なる線量が照射された細胞を区別する予定であったが、共培養によって非染色細胞にも試薬が取り込まれることが判明し、マーキング用の蛍光プローブの選定のための予備実験に時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、引き続き不均一照射に対する物理的な接触を阻害しない共培養での細胞生存率の評価をヒト肺癌細胞A549を用いて行う。また不均一照射に対する放射線誘発コホート効果の作用機序の解明を目的とし、NOスカベンジャーの阻害剤を用いて同様の実験を行う。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)