非アルコール性脂肪肝炎による腸管免疫・癌微小環境動態と大腸癌への影響の解明
Project/Area Number |
20K17017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
関 晃裕 金沢大学, 医学系, 特任助教 (00733859)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 大腸癌 / 消化管免疫 / 非アルコール性脂肪肝炎 |
Outline of Research at the Start |
本研究は①非アルコール性脂肪肝炎(NASH)における腸管の免疫細胞群と癌微小環境の動態の解明。②NASHの肝臓における脂肪沈着、炎症および線維化と代謝産生物質が腸管に与える影響の解明。これによりNASHが大腸癌の発生と進展に与える影響の詳細を明らかとすることを目的とする。 NASHにおける腸管と肝臓の相互連関において腸内細菌や粘膜由来の代謝物質が肝臓に与える影響についての検討は近年発展を認める。しかし、NASHにおける腸管の免疫動態と癌微小環境の詳細解明はなされておらず,肝臓の病態が腸管の免疫細胞を介し大腸癌へ与える影響の解析により,NASHを背景とした大腸癌に対する新しい予防法確立につながる。
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Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は本邦において生活習慣病に関連する疾患として増加しているが、根本的な治療法は確立されていない。NASHは腸管における大腸癌リスクであることが報告されており、腸管の免疫細胞と癌微小環境が大腸癌の発生と進展に関与することが示唆されているが,消化管の免疫動態と間質細胞などで構成される癌微小環境に対しNASHが与える影響の詳細は解明されていない。本研究ではNASHにおける腸管の免疫動態と癌微小環境への影響を明らかとし、NASHが大腸癌の発生と進展に与える影響の詳細を解明することを目的としている。また、NASHにおいて肝臓の炎症および線維化を改善する働きが明らかとされつつある間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell; MSC)を用いることで、NASHの肝臓における炎症と線維化が大腸癌に与える影響の詳細を解明を試みている。本年度はNASHにおける腸管の免疫細胞群の解明をFACSを用いて行ない、NASHの腸管における免疫動態の特徴を明らかとしつつある。また、NASHマウスにおいてMSCが肝臓の非実質細胞であるstellate cellの活性化を抑え、非実質細胞に由来するサイトカインの産生に修飾を加えることで、実質細胞の障害を軽減させていることを見出し、全国学会にて報告を行った。本年度はこれらを応用し、引き続き、NASHの腸管における免疫細胞が大腸がんの増大・生着にあたえる影響とMSC投与による非実質細胞を介した腸管免疫への影響について明らかとしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はNASHにおける腸管の免疫細胞群の解明をFACSを用いて行ないNASHの腸管における免疫動態の特徴を明らかとした。また、NASHマウスにおいてMSCが肝臓の非実質細胞であるstellate cellの活性化を抑え、非実質細胞に由来するサイトカインの産生を抑えることで、実質細胞の障害を軽減させていることを見出した。この成果については第107回日本消化器病学会総会において発表し、論文化に向けて研究を進めている。 一方で、腸管内にマウス由来大腸がん細胞株の生着に難渋しており、担癌状態における長官の免疫細胞の評価は2020年度は未実施である。
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Strategy for Future Research Activity |
腸管内におけるマウス由来大腸がん細胞株の生着のため、足場となる基質を使用し再度検討している。また、大腸がん細胞株以外の腺癌細胞株を用いて腸管に生着させることで、NASHの腺癌細胞の増大・生着への影響と腸管免疫の関与について検討を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Regenerative Therapy for Liver Cirrhosis Based on Intrahepatic Arterial Infusion of Autologous Subcutaneous Adipose Tissue-Derived Regenerative (Stem) Cells: Protocol for a Confirmatory Multicenter Uncontrolled Clinical Trial.2020
Author(s)
Y Sakai, S Fukunishi, M Takamura, O Inoue, S Takashima, S Usui, A Seki, A Nasti, T Ho, K Kawaguchi, A Asai, Y Tsuchiimura, T Muraymoto, T Yamashita, T Yamashita, E Mizukoshi, M Honda, Y Imai, K Yoshama, T Wada, K Harada, K Higuchi, S Kaneko
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Journal Title
JMIR Research Protocols
Volume: 9
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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