癌関連線維芽細胞の活性化維持機構を標的としたIPF合併肺癌の新規治療法探索
Project/Area Number |
20K17174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 敏夫 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70771856)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 肺癌 / 肺線維症 / 肺癌オルガノイド / 空間的トランスクリプトーム / シングルセル解析 / 肺がん / 癌関連線維芽細胞 / がん微小環境 / 特発性肺線維症 |
Outline of Research at the Start |
近年、肺癌において新薬が開発され、劇的な延命効果が得られている。しかし、依然として進行肺癌で根治を望める症例は少なく、異なる作用機序やモダリティを持つ治療法開発が望まれており、その一つのターゲット候補が癌微小環境である。癌微小環境を考慮する際に、肺癌の発生母地として重要である特発性肺線維症線維化領域におけるCancer-associated firoblasts(CAFs)と癌部の相互作用メカニズムの解析は重要であると考えられる。CAFsはheterogenousな起源を持つが故に詳細については明らかでない。本研究においてはシングルセル解析を用いてそれらの探索を行う予定である。
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Outline of Annual Research Achievements |
Thromboxane-Prostanoid Receptor signalingがTGF-β signalingの上流を制御し、肺線維症の線維芽細胞の活性化維持機構へ深く関与していることを2022年に報告した(Suzuki T, et al. Am J Respir Crit Care Med 2022)。同様のメカニズムが肺がん細胞株、およびニッチ環境の癌関連線維芽細胞でも認められることをin vitroの患者由来がん関連線維芽細胞培養系で明らかにした。 2021年度は、肺線維症の線維化巣の線維芽細胞と癌周囲の癌関連線維芽細胞とのcell cell interactionについて、single cell RNA解析を用いて実証しようと試みたが、シングルセル化の際に特定の細胞種のダメージが条件を変えても起こってしまう状況が続いた。本結果では信憑性のある結論には到達し得ないと考え、 研究手法を大きく変更することにした。 既にホルマリン固定されたFFPE検体を用いてVisium解析を実施して、実際のヒト症例での傍証を得ることにした。Visium解析では免疫細胞と他肺構成細胞のオーバーラップ検出の問題が出たため、Xenium in situによって4サンプルでオミックスデータを取得した。また、2022年度に、肺癌患者から分取した肺癌細胞を、iPS細胞由来の肺オルガノイドの正常上皮の一部と置換することで、ニッチ環境を配備した肺癌オルガノイドの作成の条件検討を行った。実際の患者肺癌の組織型、浸潤形式に類似した肺癌オルガノイドの樹立手法を確立した。現在Human sampleのXenium in situで得られたデータについて解析を実施中である。TPr signalingについて、想定されている結果が出れば、線維芽細胞配備型肺癌オルガノイドの系で薬剤介入検討を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
線維化巣のcell dissociationに際して出現する細胞ダメージの影響が、細胞種によって異なり、バイアスがかかった結果が得られると判断したために当初の計画であったsingle cell RNAseqによる解析による研究手法から、FFPEブロック検体を用いたVisium空間的トランスクリプトーム解析に変更した。肺癌オルガノイドの解析についてはVisium解析で一定の解像度が得られることが分かったが、human sampleにおいてはさらなる解像度が求められ、Xeniumに変更して研究を実施中である。以上の通り、研究手法の変更を重ねた結果、当初の計画よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に得られたXeniumデータと肺癌オルガノイドのVisiumデータを解析検討実施する予定である。Pr signalingについて、想定されている結果が出れば、線維芽細胞配備型肺癌オルガノイドの系で薬剤介入検討を行っていく予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Thromboxane-Prostanoid Receptor Signaling Drives Persistent Fibroblast Activation in Pulmonary Fibrosis2022
Author(s)
Suzuki T, Kropski JA, Chen J, Carrier EJ, Chen X, Sherrill TP, Winters NI, Camarata JE, Polosukhin VV, Han W, Rathinasabapathy A, Gutor S, Gulleman P, Sabusap C, Banovich NE, Tanjore H, Freeman ML, Tada Y, Young LR, Gokey JJ, Blackwell TS, West JD.
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Journal Title
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine
Volume: 206(5)
Issue: 5
Pages: 596-607
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Int'l Joint Research