加齢に伴う唾液腺への老化関連T細胞集積メカニズムの解析
Project/Area Number |
20K18494
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57020:Oral pathobiological science-related
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Research Institution | Showa University (2021-2022) National Center for Geriatrics and Gerontology (2020) |
Principal Investigator |
黒澤 実愛 昭和大学, 歯学部, 助教 (70815802)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 唾液腺 / 老化 / T細胞 / 口腔乾燥症 / 免疫老化 / 細胞老化 / 加齢 |
Outline of Research at the Start |
ドライマウス(DM)患者は閉経期以降の女性に多く、加齢に伴う生体内の変化は多岐にわたることから、本研究では老齢マウスを用いて、免疫老化および細胞老化、性ホルモンの減少などの加齢変化による唾液腺への免疫細胞浸潤メカニズムを解明することを目的とする。老齢マウスにおける老化した免疫細胞が唾液腺へ集積する機序を解明し、DMを主症状とする自己免疫疾患であるシェーグレン症候群(SS)のモデルマウスや中高年でDMを発症したヒトサンプルにおける免疫老化と細胞老化によるDM発症への関与を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ドライマウス患者は加齢と共に増加し、女性に多い事が知られている。中年期以降の女性では、自己免疫疾患の一つであるシェーグレン症候群を発症する割合が高く、シェーグレン症候群患者では免疫細胞の浸潤により腺房細胞を破壊され、ドライマウスの症状がみられる。しかし、シェーグレン症候群の診断基準を満たさないドライマウス患者でも唾液腺に免疫細胞の集積が見られる場合もある。ヒトやマウスでは加齢とともに老化細胞が増加し、炎症を惹起する可能性がある。また、胸腺の加齢変化によってT細胞の老化も見られる。しかし、加齢変化による唾液腺への免疫細胞浸潤メカニズムは不明である。そのため、本研究では老齢マウスおよびシェーグレン症候群モデルマウスを用いて細胞老化による唾液腺と免疫細胞の加齢変化を検討し、唾液腺への浸潤機序を明らかにする事を目的とする。 ヒトやマウスの唾液腺では加齢に伴って異所性の胚中心が形成される事が報告されており、老齢マウスの唾液腺では老化したT細胞だけでなく、B細胞の集積も見られた。しかし、シェーグレン症候群モデルマウスではT細胞のみが唾液腺に集積していた。そのため、老齢マウスとシェーグレン症候群モデルマウスでは唾液腺への免疫細胞集積メカニズムは異なる可能性がある。また、高齢者やシェーグレン症候群患者では口腔内細菌叢が変化する事が報告されている。臼歯結紮によって歯周炎を誘導したLigatureマウスでは口腔内細菌叢が乱れた状態(ディスバイオシス)となるが、口腔内細菌叢の変化による唾液腺への影響を検討した。若齢のLigatureマウスでは唾液腺の腺房細胞において老化マーカーの一つであるSAβ-Galの発現が導管で上昇していたが、唾液腺における炎症所見および細胞老化の亢進は見られなかった。そのため、唾液腺への炎症誘導には免疫細胞の老化が重要な可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Ligatureマウスにおける口腔内細菌叢のディスバイオシスを検討していたが、飼育条件によって口腔内細菌叢が大きく左右され、Ligatureマウスにおける口腔内細菌叢が安定せず、適切な週齢や飼育条件の検討を行うために時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
ⅰ) 高齢者およびシェーグレン症候群患者で増加している細菌に対するT細胞およびB細胞の交差反応性に関して検討する。 シェーグレン症候群患者の口腔内ではPrevotellaやveillonella、Lautropiaと言った細菌種が増加する事が報告されている。また、Esherichia coliで発現している細胞外タンパク質のOmpAは、自己抗原であるSSA/Ro反応性T細胞と交差反応を示すことが報告されている。さらに、高齢者では若齢者と比較して口腔内細菌叢が異なる。そのため、高齢者やシェーグレン症候群患者特異的に増加している口腔内細菌に対して、唾液腺に集積している免疫細胞のT細胞受容体などが交差反応性を示すのか検討する。 ⅱ) エストロゲン低下による唾液腺の上皮細胞および免疫細胞に与える影響を検討する。 シェーグレン症候群は閉経以降の女性に多いことから、加齢とともにエストロゲンが関与している可能性がある。卵巣摘出によるエストロゲン低下は唾液腺樹状細胞に影響する事が報告されているため、エストロゲンの低下による唾液腺の上皮細胞や免疫細胞への影響を検討する。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)