Project/Area Number |
20K18608
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57050:Prosthodontics-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
稲葉 菜緒 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (00814170)
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Project Period (FY) |
2021-02-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | インプラント周囲炎 / マクロファージ / 病態モデル / オートファジー / インプラント / LPS / 骨細胞 |
Outline of Research at the Start |
歯科インプラント治療は欠損歯列の回復に有効な治療選択肢のひとつであるが,インプラント周囲炎という歯周病に似た疾患が最近問題となっている.しかしその原因はよくわかっていないのが現状である.この研究はインプラント周囲炎をラットに引き起こして詳細に状態を調べることにより,インプラント周囲炎の発生メカニズムを明らかにしようとする試みである.
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Outline of Annual Research Achievements |
歯科インプラント治療は欠損歯列の回復に有効な治療選択肢のひとつだが,生物学的合併症のひとつにインプラント周囲炎がある.インプラント周囲炎は難治性の硬軟組織疾患として深刻な問題であり,わが国における高齢化率の高まりとも相まって今後も患者数は増加の一途をたどると予想されるが,なぜ発症する患者としない患者がいるのか分からない.一方近年,自食作用を特徴とするオートファジーに関する研究が注目されており,免疫応答の要であるマクロファージや骨関連細胞に重要な役割を果たすことが証明されている.オートファジーが炎症や細菌感染に深く関与することも報告されており,インプラント周囲炎との関連性が強く予想される.そこで本研究の目的は,インプラント周囲炎モデルを研究ツールとして用い,オートファジーを基軸としたインプラント周囲炎の発症機構を解明することにある. 本年度は,開発されたLPS誘発型インプラント周囲炎様病変モデルラットの硬軟組織に対する詳細な解析を行った.インプラント周囲硬軟組織の病態解析を行った結果,インプラント周囲炎モデルラットでは,LPSを投与していない通常のインプラント埋入モデルラットと比較して,インプラント周囲の辺縁骨レベルが有意に低下し,破骨細胞数の有意な増加を伴う骨量の有意な減少が認められた.また,インプラント周囲炎モデルラットにおけるインプラント周囲炎の軟組織では,LPSを投与していない通常のインプラント埋入モデルラットと比較して,血管数とコラーゲン産生量の有意な減少に加え,CD68+ マクロファージ数の有意な増大が惹起され,それはCD38+マクロファージ数の増大に起因することが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者はインプラント周囲炎モデルラットを開発し,詳細な病理学的ならびに免疫学的解析を行い,種々の所見をえていることから,(2)おおむね順調に進展している,と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,確立されたLPS誘発型インプラント周囲炎様モデルのLPS濃度を減じ,インプラント周囲炎を発症するモデルラットと発症しないモデルラットの作製を行う.また,これらを,LPSを投与していないインプラント埋入モデルラットと以下のように比較解析する. ①-1.構造学的解析:マイクロCTによるインプラント周囲骨組織の3次元的構造解析を行う.①-2.組織病理学的解析:屠殺後採取したインプラントを含む組織片は,低温長時間脱灰後にインプラントを逆回転させ慎重に撤去する.ヘマトキシリン-エオジン(H-E)染色,トライクローム染色,ピクロシリウスレッド染色を行い,骨面積,骨細胞数,空の骨小腔数,コラーゲン産生(I型とIII型)ならびに多形核白血球浸潤などを定量解析し,病理組織学的定量評価を行う.①-3.免疫病理学的解析:軟組織では,今回焦点を当てるマクロファージと,炎症と高い相関を示すTh17細胞を,また硬組織では骨芽細胞と破骨細胞に対する免疫染色を行い,免疫病理学的に定量評価する.②オートファジーに関連する分子動態評価①-2,3で着目したマクロファージ,Th17細胞,骨芽細胞,破骨細胞,骨細胞におけるオートファジー関連分子の産生を免疫組織化学的に解析する.また,インプラント周囲軟組織から細胞群を抽出し,イメージングフローサイトメトリーにより,マクロファージにおける各種オートファジー関連分子発現を定量評価する.インプラント周囲組織の骨組織をトレフィンバーで採取後,研究代表者が報告済みの方法と既報から,骨細胞の遺伝子とタンパク質を抽出して各種オートファジー関連分子に対する定量qPCRとウェスタンブロッティングを行う.
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