オーラルフレイル機序解明に向けた顎口腔系運動器のマルチスケール解析
Project/Area Number |
20K18616
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57050:Prosthodontics-related
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
笠原 正彰 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (60779776)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | オーラルフレイル / 骨質 / 生体アパタイト / 結晶配向性 / マルチスケール解析 / 筋機能圧 |
Outline of Research at the Start |
オーラルフレイルは咀嚼筋の筋機能減退に伴い顎骨の力学機能が低下し、それぞれの構造形態に影響が生じると考えられるが、その相関性は不明である。そこで本申請課題は、口腔機能低下の機序解明のために、顎口腔系運動器の構造と機能の関連を明らかにする。1)咀嚼筋の腱-骨付着部におけるマルチスケール構造解析を行い、各スケールの構造特性と筋機能の関連を解明する。2)筋機能圧による荷重の大きさが顎骨の形態・構造へ及ぼす変化を調べる。これら両者の包括的な解析を行うことで、オーラルフレイル機序解明のための基礎的基盤を確立、提案に挑む。
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Outline of Annual Research Achievements |
口腔機能の低下を総称する「オーラルフレイル」は、フレイルの重篤化を惹起する因子として知られている。口腔機能低下は咀嚼筋の筋機能減退に伴い顎骨の力学機能が低下し、それぞれの構造形態に影響が生じると考えられるが、その相関性は不明である。そこで本申請課題は、口腔機能低下の機序解明のために、顎口腔系運動器の構造と機能の関連を明らかにすることを目的とする。 本年度は最終年度として、咀嚼や嚥下に関与する舌骨におけるマルチスケール構造解析を行い、形態学的見地から各スケールの構造特性と筋機能の関連の一端を解明した。具体的には、舌骨に付着する舌骨上筋および舌骨下筋付着部の組織学的評価および筋付着部直下の舌骨皮質骨の骨密度、骨質評価を行い、筋機能圧下にある舌骨の構造特性評価を行った。結果から、舌骨は筋付着部の構造が部位によって異なっており、骨質も付着部位に応じた特性を有していた(J Funct Biomater. 2024)。 また、ラットを用いて咬筋部の筋機能圧による荷重の大きさが顎骨の形態・構造へ及ぼす変化を調べ、荷重の影響による顎骨の経時的変化を観察した。4週齢のWistar系雄性ラットに、ボツリヌス毒素血清型A製剤を注射して筋機能を低下させる実験群と対照群に分けた。上下切歯の正中線の差を測定した後、6、8、10、12、16週後に安楽死させた。下顎骨を採取し、組織学的検査、コラーゲン線維径の評価を行った。正中線の差は週齢とともに減少した。ボツリヌス投与6週後から12週後までのラットにおいて、コラーゲン線維束径はボツリヌス投与群で有意に小さく、両群の差は年齢が上がるにつれて減少した(J Funct Biomater. 2023 )。 以上より得られた結果を基に口腔機能維持・向上に向けた方略の立案、オーラルフレイル機序解明のための基礎的基盤を確立、提案を行う予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(11 results)