Project/Area Number |
20K20560
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 34:Inorganic/coordination chemistry, analytical chemistry, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
立間 徹 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90242247)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
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Keywords | プラズモン共鳴 / キラリティー / 化学センサ / 金属ナノ粒子 / 磁性体ナノ粒子 |
Outline of Research at the Start |
生物を構成する分子の多くがキラリティを持つため、分子のキラリティを測るセンサや、制御する触媒は学術・実用的に重要である。本研究では、代表者らが見出したプラズモン誘起電荷分離(PICS)に基づく光ナノ加工技術により、キラリティを持つ小さなプラズモニックナノ構造を円偏光下で作製する。その光学応答が、周囲のキラル分子により影響されることを利用したキラリティセンサを開発する。センサの信号変換にもPICSを用いる。ナノ構造周辺に生ずる近接場光とキラル分子との相互作用を用いた新規なセンサや光触媒などの可能性も追及する。キラルプラズモニック材料が生物のホモキラリティに関与した可能性も検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、プラズモン共鳴を示すキラルナノ構造を作製し、アミノ酸などのキラル分子について、そのキラリティーを区別してセンシングできるセンサ(エナンチオ選択性センサ)の開発を目的としている。 2022年度はまず、ナノスフィアリソグラフィーという手法により半導体基板上に作製した三角形状の金ナノプレートのアレイに、鉛(II)イオンの存在下で右または左円偏光を照射することによりキラルな幾何学配置を持つ酸化鉛(IV)を析出させた。円偏光をキラル源として作製した初のキラルナノ構造アレイである。 ただし、円偏光をキラル源として作製したこれまでのキラルナノ構造はいずれも、プラズモン共鳴特性を持たない誘電体(酸化鉛)の析出か、プラズモン共鳴特性を持つ材料の円偏光による溶出を使用してきた。そのため、キラルな電場を生じる場が誘電体により覆われていて直接アクセスできないか、あるいは形状的にキラルな電場が弱くなる傾向があった。 そこで、形状異方性を持つ銀ナノ粒子に、銀イオンとクエン酸イオンの存在下で円偏光を照射して熱電子還元することによりキラルな形状へと成長させる新たな手法を開発した。銀ナノ粒子を合成してさらに成長させる2段階過程による方法のほか、銀イオンから1段階過程で作製する方法もある。 また、磁性体ナノ粒子を用いてエナンチオ選択性を得る手法についても検討を行っており、鉄(II)イオンをオキシ水酸化鉄へ酸化し、さらにヘマタイトに変換することで磁性体ナノ粒子を作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で開発を目指しているエナンチオ選択性センサを得るためには、なるべく均質なキラルナノ構造を作製する必要がある。ナノスフィアリソグラフィーという手法を用いることにより、キラルナノ構造のアレイを作ることができるようになり、これまでよりも均質なキラルナノ構造の作製に成功した。 また、センシングを行う上で、キラルな電場が強い領域にキラルな分子がアクセスできることも必要である。これまではその部位が誘電体で被覆されているなどの問題があったが、誘電体を析出させるのではなく、プラズモニック特性を持つ金属を析出させることにより、誘電体で被覆されない状態のキラルナノ構造を作製することに成功した。 さらに、キラルなナノ構造を用いるアプローチだけでなく、2022年度からは磁性体ナノ粒子を用いるアプローチも新たに取り入れつつ研究を進めている。これにより、当初の予定よりもより多角的な取り組みとなっている。これらのことから、十分順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
プラズモニックな金属のみからなるキラルナノ構造やそのアレイについて、従来よりもさらにキラリティーを高めるべく、前駆体粒子の高さを改善するなどの工夫を行う。また、ナノスフィアリソグラフィーだけでなく、集束イオンビーム(FIB)を用いる方法などによるアレイの作製も試みる。こうして作製したキラルナノ構造やそのアレイを用いて、キラル分子のエナンチオ選択的センシングとその評価を行う。 また、磁性体ナノ粒子を用いたアプローチに関しても、キラル分子のエナンチオ選択的センシングとその評価を行う。
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Report
(3 results)
Research Products
(32 results)