Generalized Hodge conjecture and Lefschetz-Milnor theory for Hilbert schemes
Project/Area Number |
20K20879
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 11:Algebra, geometry, and related fields
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島田 伊知朗 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (10235616)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | K3曲面 / Niemeier 格子 / Leech格子 / extremal 格子 / 計算機代数 / 自己準同型環 / ホッジ予想 / ヒルベルトスキーム / 消失サイクル / 完全交叉 |
Outline of Research at the Start |
一般ホッジ予想は,複素射影代数多様体のホッジ構造から部分多様体の存在が導けるとする予想であり,代数幾何学におけるきわめて重要な問題の一つであるが,この予想が確かめられている非自明な例はごくわずかしかない.複素射影代数多様体には,その部分多様体全体をパラメトライズするヒルベルトスキームという代数多様体が付随している.複素射影代数多様体が退化するとき,そのヒルベルトスキームも新たな特異点をもつ.この研究は複素射影代数多様体の退化とそのヒルベルトスキームの退化を比較することにより,一般ホッジ予想が成立する例を系統的に構成する方法を確立することである.
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Outline of Annual Research Achievements |
複素上半平面上のJ関数とモンスター群に関するムーンシャイン現象の類似が,K3曲面の楕円種数と位数244823040のマシュー群に対しても成立するであろうというマシュー・ムーンシャイン予想が,2011年に Eguchi-Ooguri-Tachikawa により提出された.この予想は2014年に Chen, Duncan, Harvey らにより,ルートを持つ Niemeier 格子の各クラスに対して定式化され,アンブラル・ムーンシャイン予想と呼ばれるようになった.A_1 型ルート系の24個のコピーを含む Niemeier 格子の場合が元々のマシュー・ムーンシャイン予想に対応する.この予想はその後多くの研究者によって様々な角度から調べられてきた. 研究代表者は,K3曲面の自己同型群を計算するために,K3曲面のピカール格子を階数が 26 のユニモジュラーな双曲格子に埋め込み,この双曲格子のワイル群に関する基本領域についての Conway の仕事を援用するという方法を用いてきた.Conway の仕事はピカール数が 26 の仮想的な(存在しない)K3曲面についての代数幾何学の言葉により解釈することができる.このアイデアに基づいて,K3曲面の自己同型群についてのアルゴリズムを,階数が 26 のユニモジュラーな双曲格子に適用し,ムーンシャイン予想に幾何学的にアプローチすることを目指した.この過程においてリーチ格子の新しい構成法をいくつか発見した. また,特にK3曲面の楕円ファイブレーションから自己同型を計算するアルゴリズムを整備し,これを用いて大量の自己同型を見出す方法を構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アンブラル・ムーンシャイン予想やマシュー・ムーンシャイン予想は,もともとは共形場理論や超弦理論にあらわれる分配関数のモジュラー不変性の研究から現れたものである.これらの物理的理論に現れる各種の概念を十分に理解するためには,その起源となった物理の問題を把握することが必要である.とくにこれらの予想に現れるモックテータ関数などの解析的関数の意味を知ることは重要である.この考えのもと,共形場理論の物理的背景の調査を始めたが,その理解が遅々として進まず,計画に遅れを生じた.バックグラウンドの異なる分野の知識を理解するために必要な時間量の見積もりの甘さが原因であると言える. また,研究代表者の K3曲面に関する各種の過去の研究から,格子理論的および組み合わせ論的な計算のアルゴリズムについては多くの蓄積があり,各種の自作のプログラムが(K3曲面以外の数学的対象に対しても)利用できる状況にあるが,テータ関数や保型形式などに関する解析的な計算のアルゴリズムについては経験が不足しており,ツールとなるプログラムの蓄積もない.これらの理由により,研究に遅れを生じた.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,共形場理論の物理的背景の調査を行い,仮想的なK3曲面の代数幾何学との非自明かつ有機的な関係を探索する.この仮想的なK3曲面のコホモロジーを,次元の大きな(仮想的ではない)代数多様体のホッジ構造の部分ホッジ構造として構成する方法を考える.例えば,モーデル=ヴェイユ群が何らかの方法でゴーレイ符号として解釈できるアーベル多様体のファイブレーションを,いくつかの楕円 K3 曲面の底曲線上のファイバー積として構成する,などのアイデアを試みる.また,仮想的なK3曲面上の位数2の自己同型を調べ,商として得られる仮想的な曲面を考察する.特にこの方法で仮想的なエンリケス曲面が得られるかどうかを調べる. 6月にスペインのハカで開催される研究集会に参加し研究連絡を行う.7月に札幌で開催される研究集会に参加し研究発表を行う.8月にコロナのため延期になっていたドイツからの共同研究者の招聘を行い,K3曲面の自己同型群と格子理論の計算機アルゴリズムについての研究連絡を行う.9月にベトナムの Quy Nhon で開催される特異点の研究集会に参加し,研究発表を行う.10月にコロナのため延期になっていたドイツからの共同研究者の招聘を行い,エンリケス曲面についての研究連絡を行う.また,今年の11月以降にベトナムのハノイから共同研究者を招聘し,研究連絡を行う. この研究課題の最初の目標であった一般ホッジ予想に対して,グラスマン多様体の中の次数を固定したときの一般的な完全交差の, rigid な部分多様体に付随した Fano variety の研究を開始する.この Fano variety の Betti 数や Hodge 数に関して実験的な研究を行う.
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Report
(3 results)
Research Products
(15 results)