Project/Area Number |
20K21359
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 42:Veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
西川 義文 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (90431395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 謙一 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (10761702)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 原虫 / ネオスポラ / ワクチン / ベクター / ガン / 遺伝子編集 |
Outline of Research at the Start |
本研究では家畜の流産の原因原虫であるネオスポラに対するワクチン開発のために、我々が確立した遺伝子編集技術を基盤として、原虫独自の代謝経路と感染伝搬能力を欠損させた次世代のワクチン株を作出する。また細胞内寄生原虫は強力な自然免疫を誘導することが可能であり、その潜在的な免疫活性化能に着目すればネオスポラのワクチン株をベクターとして応用することが可能である。従って、異種抗原遺伝子(トキソプラズマ、マラリア原虫、癌細胞)を導入したベクターワクチン株を作製し、獣医寄生虫学研究から難治性疾患の制圧戦略に向けた新たな医薬バイオテクノロジー分野の創出を目指す挑戦的な研究を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
免疫学の発展によりウイルスや細菌に対する各種ワクチンが開発されているが、原虫病に対するワクチン開発は困難を極めている。近年の遺伝子編集技術の開発・進歩により様々な生物種への遺伝子導入や遺伝子破壊が容易となり、原虫の研究分野においても遺伝子を欠損させることでその病原性を弱めることが可能となってきた。そこで本研究では我々が確立した遺伝子編集技術を基盤として、原虫独自の代謝経路と感染伝搬能力を欠損させた次世代のワクチン株を作出し、さらにそのワクチン株に異種抗原遺伝子を組み込んだ原虫ベクターワクチン株を開発することにより様々な難治性原虫病の制圧及び癌ワクチン開発を目指している。2022年度は以下の項目を明らかにした。 ベクターワクチン株の作製:感染伝搬能力が欠損し潜伏感染できない原虫株 (NeoMD株)について、前年度に検証した株とは別の原虫株を作製し感染伝搬能力を解析した(NeoMD-2株)。NeoMD-2株は、親株原虫と比較してマウスに対する病原性が低下し(マウス生存率の上昇、臨床症状の低下)、マウス妊娠期感染による垂直感染率の低下も確認された。今後は、NeoMD株とNeoMD-2株を基盤としたベクター開発に展開していく。ネオスポラの親株原虫に異種原虫のタンパク質であるトキソプラズマ抗原遺伝子を導入し、一過性の発現を確認した。今後はクローニングを完了させ、本組換えネオスポラを免疫したマウスがトキソプラズマの感染に対し感染防御効果を有するか検証する。次にネオスポラ接種による抗腫瘍効果の誘導を確認するために、マウスを用いた癌細胞移植モデルを構築した。興味深いことに、ネオスポラ接種による腫瘍退縮効果を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、弱毒したネオスポラ原虫株を作出し、さらに異種抗原遺伝子を導入してワクチンの汎用性を検証することを目標としていた。ネオスポラ原虫の弱毒化とワクチンの汎用性に関する評価は実施したが、病原性が低下した原虫株を用いて異種抗原遺伝子を導入した組換え原虫株の作製まで至っていない。以上より、現在までの進捗状況は「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
病原性が低下した原虫株(NeoMD株あるいはNeoMD-2株)を用いて異種抗原遺伝子(トキソプラズマ抗原、癌抗原)を導入した組換え原虫株を作製する。それぞれの組換え原虫を用いたマウス実験モデルにて、トキソプラズマの攻撃感染に対する防御効果および移植腫瘍の退縮効果を検証する。
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