Combinatorial aspects of the Teichmuller theory
Project/Area Number |
20K22304
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0201:Algebra, geometry, analysis, applied mathematics,and related fields
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Research Institution | Tohoku University (2021-2022) Kyoto University (2020) |
Principal Investigator |
石橋 典 東北大学, 理学研究科, 助教 (30881718)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | クラスター代数 / 高階Teichmuller理論 / 測度付きラミネーション / 写像類群 / スケイン代数 / Teichmuller理論 |
Outline of Research at the Start |
従来のTeichmuller-Thurston理論において基本的な考察対象であった測度付きラミネーションの高階における対応物をクラスター代数の観点から導入し、高階のTeichmuller-Thurston理論を構築する。 応用として申請者らによる符号安定性の理論を写像類群の高階ラミネーションへの作用に適用し、高次Teichmuller空間への作用に関する力学系的特徴量を決定することを目指す。クラスター代数側への応用として、高階のFock-Goncharov双対性の構成を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、Teichmuller 理論およびその高階化に関する幾何学をクラスター代数を用いた組み合わせ論的な観点から明らかにすることである。 本年度は研究目標の一つである「高階ラミネーションの幾何学的な構成」に関して、SL(3)の場合に達成することができた。昨年度までのsl(3)-スケイン代数を用いたSL(3)-Teichmuller理論に関連したモジュライ空間の関数環の記述を踏まえ、東北大学の狩野隼輔氏との共著論文においては「曲面上の符号付きsl(3)-ウェブ」に基づいたSL(3)-ラミネーションの定式化を行なった。これらはThurstonの剪断座標の高階版でパラメトライズされ、曲面が針孔を持たない場合にはSL(3)-クラスター代数の線形基底と一対一に対応する。この場合には我々のSL(3)-ラミネーションをクラスター代数の基底に対応させる写像がFock--Goncharov双対性の幾何学的な構成となっていることが期待される。公理の条件が実際満たされていることを確認することは今後の課題である。 また、同じく階数2のLie代数であるsp(4)の場合についての同様の研究にも着手し、京都大学の湯淺亘氏との共著論文では適切なsp(4)-スケイン代数の整形を用いたSp(4)-Teichmuller理論に関連したモジュライ空間の量子関数環の記述を与えた。sp(4)はsimply-lacedでない点でSL(n)の系列とは本質的に異なる現象が見られ、興味深い。この対応をもとにしたSp(4)-ラミネーションの定式化については現在、中国科学技術大学のZhe Sun氏を加えた研究が進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度までの成果から、SL(3)の場合の研究の方針は確実なものとなりつつあったが、これをsp(4)の場合にも実行できたのは驚くべきことであった。実際、Kuperbergのsp(4)-スケイン関係式には - 二項関係でないものが含まれ、クラスター代数の交換関係 (必ず二項関係) との対応が一見非自明であったこと、 - 量子数[2]の逆数が現れクラスター代数における整数性と一見相性が悪く思われたこと、 などの点が最終的にうまく解決できたことは想像以上であった。また、表現論的観点からもsp(4)の5次元表現という極小でない表現について理解が深められたことは更なる一般化を目指す上で重要な一歩であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り、sp(4)-ラミネーションの幾何学的定式化について進めていく。 また、飾り付きG-局所系のモジュライ空間に関する昨年度の研究で得られた関数環の二種の生成系: 「Wilson戦の行列要素」と「クラスター変数」の間の変換はそれぞれ二種類のスケイン代数: 「状態付きスケイン代数」と「留金付きスケイン代数」の間の同型対応に持ち上がることが明らかになってきている。(上述の研究成果で触れたのは留金付きの方である。) この形の理解に基づき、スケイン理論におけるさまざまな研究の統一的な理解を目指すことは今後の研究方針である。これらのスケイン代数に関する研究を両輪で進めることで - モジュライ空間の量子座標環のスケイン代数による記述 - それをもとにした高階ラミネーションの幾何学的定式化 について飛躍的な進展が得られることを期待している。
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Report
(3 results)
Research Products
(21 results)