Project/Area Number |
20KK0170
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 46:Neuroscience and related fields
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences (2021-2022) Nagoya University (2020) |
Principal Investigator |
和氣 弘明 生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 教授 (90455220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 伸彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (10432155)
加藤 大輔 生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 特別訪問研究員 (10712292)
竹田 育子 生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 特別訪問研究員 (30746300)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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Keywords | ミクログリア / 異種感覚可塑性 / シナプス / 異種感覚の可塑性 / 生体イメージング |
Outline of Research at the Start |
本国際研究では中枢神経系唯一の免疫細胞であるミクログリアに着目し、ミクログリアがシナプスの構造的・機能的可塑性を修飾する背景を踏まえ、多角的階層的な技術を相互補完することによって、ミクログリアのシナプスに対する時間的(発達・成熟)および空間(脳領域)特異的な生理機能を明らかにする。さらにこれを異種感覚の可塑的変化のメカニズムに繋げ、そこから精神病態を考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では感覚領域間の機能的結合に着目し、感覚喪失時に引き起こされる異種感覚の可塑性のメカニズムをミクログリアのシナプス修飾の観点から明らかにする。視覚遮断マウスモデルを用いて、第一次感覚野(S1)→高次視覚野(V2L)の異種感覚をつなぐ機能的結合に着目し、その機能的結合および高次視覚野内で起こる神経回路再編のメカニズムをミクログリアの観点から分子基盤を明らかにすることを目的とした。これまでS1-V2Lの回路結合に基づく、先天的視覚遮断においてミクログリアがV2Lの抑制性シナプス伝達を阻害、剥がすことによって、興奮性神経細胞のヒゲ刺激に対する応答を増強させることがわかった。さらにこれによって先天系視覚遮断では感覚識別学習能力が向上する一方、成熟期における視覚遮断ではミクログリアによってヒゲ刺激に対するV2L神経細胞の活動が増強するのにも関わらず、感覚識別学習能力が向上せず異なる神経回路メカニズムが存在することを示した。さらに共同研究者のAnne Schaefer博士とミクログリアの分子情報を比較することで、その分子基盤の一部を明らかにすることに成功した。またこのような臨界期を経る神経回路再編のメカニズムについて経時的なイメージングを行うことでその変化を抽出した (Hashimoto et al., in press)。現在、引き続き統合失調症などをはじめとする精神疾患においてこの異種感覚をつなぐ機能的結合強度に着目し、研究を進め、得られた分子情報を統合失調症モデルのミクログリアの分子情報と比較することでその病態基盤の抽出を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
国際共同研究を論文化することに成功し、順調に進捗している
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Strategy for Future Research Activity |
まず異種感覚をつなぐ領域を感覚統合におけるハブと考え、この領域におけるミクログリアを単離しRNA-seqを用いてミクログリアに発現する分子群を感覚の第一次感覚領野のミクログリアと比較する(特に研究代表者らが着目しているシナプスに関連する因子MMP9やC4など)。またCx3Cr-GFPマウスの神経細胞にtdtomatoを発現させ、ミクログリアシナプス相関を可視化し、数理学的に解析し、その感覚種別依存性があるのかを検証する。さらに感覚識別力を検証するために感覚学習行動を用いて個体計測する。さらに統合失調症モデルとし臨床患者を実際に反映する22q11.2欠失モデルマウス(入手済み)を用いて、このマウスを先天的な視覚遮断になるようにし、この際のS1の活動をファイバーフォトメトリーで検出しながらV2L内の神経細胞集団活動を可視化し、これを相関付ける。またミクログリアを単離し、その遺伝子発現を解析し、シナプスに対する作用を可視化し、これと相関づける。さらに静脈注射によって大規模に脳内の神経細胞にGCaMPを発現させる系(ウィルス作成済み)を用いて脳のマクロイメージングを実施し、これによって領域間結合(とくに感覚領域間結合)に着目してその機能的結合を評価する。
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