Project/Area Number |
21650173
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied health science
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石川 哲也 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 准教授 (90221754)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 音楽 / 増殖因子 / サイトカイン / TGF-β1 / 抗体アレイ / NGF |
Research Abstract |
本研究では,音楽が人に与える効果を明らかにするために,音楽によって誘導されるタンパク質を明らかにすることを目的とした。従来の研究では,音楽によって濃度が上昇するタンパク質に唾液IgAがあるのみであった。そこで申請者は,音楽により誘導されるタンパク質として増殖因子を候補として考えた。まず唾液TGF-β1について調べたところ,音楽刺激を与える前からコントロールより有意に低下した。この実験では被験者がコントロールか音楽刺激か知っていたため,期待感などの精神的な影響が現れたと考えられた。TGF-β1は細胞増殖などに対して抑制的に働くことが知られているため,精神的な効果により細胞増殖などを亢進するような方向に進むと考えられる。 そして血清中のサイトカインが音楽により影響を受けるのか,抗体アレイを用いて解析した。すでに我々が音楽刺激に応答することを示している唾液NGFを指標に種々の音楽を試したところ,モーツアルトのピアノ協奏曲20番とチャイコフスキーの弦楽セレナードに対してよく応答した。次にこの2曲を用いて複数回実験を行い,唾液および血清NGFが最もよく応答する血清を選んだ。その血清の音楽刺激開始前をコントロールとして,音楽刺激中の血清を抗体アレイにかけた。その結果,174種類のサイトカインのうち,ENA-78とTIMP-1が2倍以上となった。また,IGF-IIとIL-18 Rbは1/2以下になった。今回は一例しか抗体アレイにかけられなかったため,今後多数の血清についてさらに解析を行い,この結果をより確実にする必要がある。 音楽に対して応答すると考えた増殖因子あるいはサイトカインの増減を解析した結果,実際にこれらの中から音楽に応答する候補タンパク質が見つかった。これらはそれぞれの標的細胞に対して作用し,おのおのの機能を発揮すると考えられるため,音楽がもたらす効果として期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)