Effects of joint action on task performance in persons with intellectual and developmental disabilities
Project/Area Number |
21H00886
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09060:Special needs education-related
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
葉石 光一 埼玉大学, 教育学部, 教授 (50298402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八島 猛 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (00590358)
大庭 重治 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10194276)
池田 吉史 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (20733405)
浅田 晃佑 東洋大学, 社会学部, 准教授 (90711705)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥14,170,000 (Direct Cost: ¥10,900,000、Indirect Cost: ¥3,270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2021: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
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Keywords | 知的障害 / ジョイント・アクション / 自己概念 / 実行機能 / サイモン効果 / 知的・発達障害児・者 / 共行為者 / 知的・発達障害者 / 課題遂行 / 支援法 |
Outline of Research at the Start |
知的・発達障害者においては、課題でのパフォーマンスにばらつきが大きい。そのため、本研究では安定して能力を発揮する環境条件の整え方を検討する。この際、他者と一緒に課題の役割や目標を分担するジョイント・アクションの効果が期待できる可能性がある。しかし知的・発達障害者を対象として課題遂行に対するジョイント・アクションの効果を検証した研究は、これまでに見られない。本研究は、知的・発達障害者の課題遂行支援に対する、ジョイント・アクションの効果的な活用法を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、知的障害のある人を対象として、ジョイント・アクションの特徴を明らかにするため、サイモン課題を用いた実験を行なった。サイモン課題では、色が異なるキャラクターをコンピュータ画面上に表示し、参加者にはキャラクターの色に応じた反応ボタンを押すことを求める。具体的には、赤のキャラクターに対しては反応デバイスの左側のボタンを、青のキャラクターには右側のボタンを押すことを求めた。キャラクターは画面上の左右いずれかの位置に出現するが、これは反応を決める手がかりではない。つまりキャラクターの色が反応関連情報、キャラクターの出現位置は非関連情報である。しかしキャラクターの出現位置(右か左)が押すべきボタンの位置(右か左)と一致しているとき(compatible条件)と一致していないとき(incompatible条件)を比較すると、前者の反応時間は後者よりも短くなる。つまり反応時間が非関連情報の影響を受けることが知られており、これをサイモン効果と言う。このサイモン効果は、単独でサイモン課題に取り組む際に観察されるものだが、二人が共同してサイモン課題に取り組む際(一方が赤、もう一方が青のボタンを担当するなど)にも観察されることが知られており、これは目的を共有して課題に取り組む二人に、課題の表象が共有されているために生じる現象と捉えられている。知的障害者を対象とした測定の結果、知的障害者においても単独で課題に取り組む場合だけでなく、共同サイモン課題においてサイモン効果が見られることが確認された。またこの効果の大きさは、単独で課題に取り組んだ場合よりも、共同で取り組んだ場合の方が大きかった。この点について、共同で取り組むことが課題表象の明確化につながる可能性があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
知的障害者において、共同行為(ジョイント・アクション)を通して課題表象の共有が生じていることが実験を通して確認できた。また単独での課題遂行時よりも、共同での課題遂行時において課題表象の明確化がより促進されていると見られる結果を得ることができた。課題遂行において、単独遂行よりも他者と共に遂行する場合にパフォーマンスが向上すると言う知的障害者の特徴のメカニズムを解明する手がかりとなりうる。今後、同様の測定を繰り返し、データの蓄積を図ることで、データの信頼性を高める必要があるが、本研究の目的である、知的障害者の課題遂行のパフォーマンスを高める支援に必要な条件は明らかになりつつあり、研究は順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、2022年度に行なったジョイント・サイモン課題の測定を、参加者を増やして実行する。合わせて、学校での作業学習等の場面でよく行なわれているような手作業での課題を、やはり単独及び共同で実施し、ジョイント・サイモン課題の測定結果との関連性を分析する。一般に、共同活動での課題遂行によってパフォーマンスが向上する社会的促進現象が知られているが、その具体的なメカニズムは必ずしも明らかではない。しかし、共同で課題に取り組むことが、課題遂行に必要とされる表象の保持や明確化につながると予想される。このことを、サイモン課題と手作業課題の成績の関連を通して検討する。また、単独での課題遂行でパフォーマンスが低い原因としては、他に課題遂行を自ら方向づける実行機能の低さが関与している可能性もある。そこで、参加者の実行機能を測定し、サイモン課題、手作業課題の成績との関連を検討する。これらを総合して、知的障害者の課題遂行成績の向上に必要な支援策を検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)