Magnetic properties of alpha-Mn under high pressure, Anomalous Hall effect and quantum critical phenomena
Project/Area Number |
21H01042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小林 達生 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (80205468)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥13,780,000 (Direct Cost: ¥10,600,000、Indirect Cost: ¥3,180,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | Mn / 反強磁性秩序 / 高圧力 / 弱強磁性 / 異常ホール効果 / マンガン / 磁気秩序 / 高圧 / 相図 / 磁気ゆらぎ / 量子臨界現象 / 磁気秩序状態 |
Outline of Research at the Start |
遍歴電子反強磁性体α-Mnは,特徴的な二段の磁気秩序相からなる圧力-温度相図を示す。圧力誘起磁気秩序相では,小さい自発磁化(約0.02μB/Mn)が発生しており,それに伴う大きな異常ホール効果を発見した。本研究では,中性子散乱実験およびNMRにより圧力誘起磁性相の秩序状態を明らかにし,異常ホール効果の機構を解明する。また,量子臨界点近傍で強磁性ゆらぎを示唆する電気抵抗が観測されており,比熱や磁化,NMRにより量子臨界現象の研究を行う。さらに,超高圧下で超伝導探索を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「αMnの圧力-温度相図の解明」である。2022年度は純良単結晶を用いたゼロ磁場NMRで,常圧の反強磁性(AFM)相におけるNMR信号の全貌(3-200 MHz)が明らかになった。αMnは結晶学的に4つのサイトI-IVから成るが,AFM相ではそれぞれ磁気的に1(I),2(II),4(III),4(IV)に分裂することが明らかになり,1970年代に行われた中性子散乱実験で提案されているスピン構造では説明できない。この論文はJ. Phys. Soc. Jpn. より出版され,Editors' Choiceに選ばれた。(島根大学との共同研究)この試料を用いて中性子散乱実験を行ったが,NMRで示されたサイトIIが1:1でないスピン構造モデルが不明であり,スピン構造の決定には至っていない。(原子力機構との共同研究)AFM相でのスピン構造はαMnの特徴的な結晶構造に起因していると考えられ,本研究で発見された最重要課題である。 高圧下で誘起される弱い強磁性(WFM)相での中性子散乱実験は終了している。AFM状態と異なり,磁気秩序により単位胞は変化しないことが明らかになった。近接スピン間は反強磁性的と考えられ,4つのサイトから成るフェリ磁性と結論された。(論文作成中)この結果から,本研究の重要課題であるWFM相における異常ホール効果の機構を議論することはできない。相補的に,高圧下NMR測定により,4つのサイトそれぞれについて,共鳴周波数の圧力依存性から磁気モーメントの大きさが明らかになりつつある。(千葉大との共同研究)これらの実験結果から,圧力-温度相図の理解につなげるとともに,4つのサイトにおけるMnの超微細相互作用を明らかにすることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
常圧の反強磁性相のゼロ磁場NMRでは1972年以来説明されていないサイトIIの謎があったが,今まで問題視されていなかった。今回,純良単結晶で実験を行うことにより,決定的なスペクトルを得ることができ,従来信じられてきたスピン構造が間違っていることが明らかになった。高圧下で誘起される弱い強磁性相の研究も計画通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
1. αMnの反強磁性(AFM)相におけるスピン構造の解明 純良単結晶を用いたゼロ磁場NMR測定により,常圧のAFM相におけるスピン構造が間違っていることがわかった。2022年度,この試料を用いて中性子散乱実験を行ったが,NMRで示されたサイトIIが1:1でないスピン構造モデルが不明であり,スピン構造の決定には至っていない。αMnは29の原子からなる単位胞をもつBCC構造をもち,AFM相のスピン構造の決定は現在の科学技術でもチャレンジングな研究課題である。NMRスペクトルの温度変化・圧力変化の詳細を明らかにすることにより,中性子散乱・X線回折実験の結果と合わせて,スピン構造の決定につなげたい。 2. 高圧下で誘起される弱い強磁性相のスピン構造の解明 中性子散乱実験の結果,磁気秩序により単位胞は変化しないことがわかり,結晶学的に4つのサイトから成るフェリ磁性と結論された。相補的に,ゼロ磁場でのNMR測定により,4つのサイトそれぞれについて,共鳴周波数の圧力依存性から磁気モーメントの大きさが明らかになりつつある。AFM相の実験結果とあわせて,4つのサイトにおけるMn原子核とdスピン間の超微細相互作用を明らかにすることが期待される。 3. NMR・比熱・磁化測定による量子臨界現象(磁気ゆらぎ効果)の研究 量子臨界点近傍では,電気抵抗が強磁性ゆらぎで期待される温度依存性を示す。最近接原子間の相互作用は反強磁性的であり,他の物理量でのゆらぎ効果の観測に興味が持たれる。NMR・磁化・比熱においても量子臨界現象が期待できるため,量子臨界点近傍で極低温までの測定を行ない,磁気ゆらぎ効果を探索する。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)
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[Presentation] 反強磁性α-Mnのゼロ磁場NMRスペクトル測定2022
Author(s)
真砂全宏, 本山岳, 三好清貴, 西郡至誠, 藤原賢二, 秋葉和人, 荒木新吾, 小林達生, 金城克樹, 北川俊作, 石田憲二, 播磨尚朝
Organizer
日本物理学会2022年秋季大会
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