Development of functional waveguide for 6G by high-definition 3D printing technology
Project/Area Number |
21H01320
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21020:Communication and network engineering-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三尾 典克 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (70209724)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
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Keywords | 高精細高速光造形技術 / 樹脂表面めっき技術 / 次世代無線通信技術 / 高精細3Dプリンティング技術 / 機能性導波管 / Beyond 5 G・6G |
Outline of Research at the Start |
UV硬化樹脂を用いた高精度3Dプリンター技術を生かして、次世代通信技術(beyond5G・6G)に必要とされる導波管デバイス技術を開発する。特に、Jバンド(220-325GHz)での方向性結合器(DC)、バンドパスフィルタ(BPF)等の単機能導波管デバイスの3D造形技術を確立し、また、Dバンド(110-170 GHz)では複数機能を集積化した導波管デバイスの実現を目標とし、 (1)3Dプリンターによるサブミリメータサイズの導波管構造の造形技術の確立 (2)電磁波伝搬特性を実現するための3Dプリンター造形物へのめっきを中心とした表面処理技術の確立 を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、100GHz帯、220GHz帯、さらには300GHzでのバンドパスフィルタ(BPF)や方向性結合器(DC)等の機能性導波管デバイスの実現を目標としている。100GHzあるいは300GHzの電磁波の波長は、3㎜および1㎜で、その帯域での国際規格で定められた導波管断面サイズは、2.54㎜×1.55㎜あるいは0.86㎜×0.43㎜である。このサイズの場合、ストレート導波管の作製は従来からの機械加工で可能であるが、BPFやDCの作製では、100μm以下の周期構造等の作製が必要となり、そのような微細構造の作製そのものが非常に困難となる。さらに、将来、高周波化すると、機能化導波管デバイスの作製は、ほぼ不可能となる。 一方、ものづくり技術の一つとして3Dプリンタが発展している。3Dプリンタは、積層造形を基本としており、機械加工の切断・切削加工とは本質に異なり、数10μmの造形精度が可能である。さらに、積層造形がゆえに、トンネル構造や中空構造の造形が可能である。 本研究では、我々が開発したUV光硬化型3DプリンタRECILSを用い、昨年度、100GHz~300GHz帯の導波管の作製に成功した。この実現の上で、RECILS製のサブmmトンネル構造内に銅めっき膜を形成することで電磁波の閉じ込めに成功している。さらに、今年度は、導波管内に0.3~0.5mmの周期的な連結共振器構造を造形し、バンドパスフィルタ(BPF)を実現した。この特性は、すでに商品化されている金属製BPFとほぼ同じ特性を持つことが確認された。この成果によって、これまで不可能であったサブTHz帯導波管機能化デバイスの実現の可能性を示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでに実現した300GHz帯導波管技術をベースにし、BPFの実現を進めた。その実現にあたって以下の項目を進めた。 (1)BPFの構造決定を電磁界シミュレーションで行い、5個の共振器(共振器の長さは0.3~0.5mm)を厚さ0.1mmのアイリスで結合した連結共振器構造で実現できることを確認した。シミュレーションで得られた結果では20~30μmの造形精度が必要なため、RECILSでの造形最適条件の把握を進めた。(2)上記で得られた結果を用い、断面積0.86mm×0.43mmで長さ25.4mmの導波管内に5連結共振器構造をRECILSでの造形に成功した。(3)RECILSで造形された導波管共振器構造内壁に銅めっきを施す技術を確立した。これは、狭く、さらに長い構造のため、めっき液が流れにくく、さらに、めっき時の温度を数10℃に上げる必要があり、これらの課題に対応できるめっき技術を開発した。(4)導波管の特性を評価するために200GHzから400GHzをカバーできる導波管の挿入損失測定系を立ち上げた。 以上の結果、200GHz~400GHzでのBPFを作製し、周期構造の変化に対応した透過域のシフトが確認され、その周波数特性はシミュレーション結果と非常によく一致することが確認された。 一方、電磁波の閉じ込めに不可欠なめっきに関しては、未めっきの発生、めっき膜の剥離の問題が顕在化した。ここで必要となるめっき技術は、アクリル系樹脂上へのめっきであり、無電解めっきを用いる必要がある。さらに、アクリルへのめっきは非常に難易度の高い技術で、対応できるめっき専門企業も限られ、それに加え、サブmmのトンネル構造へのめっきは実績がほとんどない。このような状況のため、良質なめっき膜の形成が課題で、これに関して再検討を行っている。これまでの方法を根本から見直しをおこない、方向性が明確になってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
目標としているサブミリ波帯域での各種機能性導波管デバイスの実現に向け、2023年度は以下の項目を進める。 (a)2022年度に顕在化した未めっき部の発生やめっき膜の剥離の問題を解決する。特に、アクリル、めっき金属の線膨張係数と電磁波の金属への侵入長を考慮に入れためっき膜構造の最適化、および、その実現技術を確立する。(b)導波管および導波管型BPFでの伝搬損失は、これまでの成果から、RECILS製導波管でも、市販の金属導波管とほぼ同程度との結果を得ている。しかしながら、RECILS製導波管は積層造形であるために、表面の平坦性は劣る。実際、積層周期に起因する20μmの周期構造があり、その凹凸の高さは5~10μmである。このうねり構造が伝搬損失に与える影響を確認する。(c)サブTHz波帯導波管の造形に加え、方向性結合器、ホーンアンテナ、Y字型結合器等の加工可能性の検討を開始する。特に、アンテナの一つであるコルゲートホーンアンテナは、ホーンアンテナと比較し、サイドローブの低減に効果があるが、ホーン部内壁に周期構造を形成する必要があり、機械加工では困難な構造である。このような、機械加工では厳しい微細構造の実現に目途をつけ、さらに複数の電磁波デバイスの集積構造の実現も検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)