Investigation on the relationship between visual inspection results and remaining performance of existing civil FRP structures
Project/Area Number |
21H01419
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22020:Structure engineering and earthquake engineering-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北根 安雄 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10444415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 国太郎 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (40467452)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥9,230,000 (Direct Cost: ¥7,100,000、Indirect Cost: ¥2,130,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | FRP / 劣化 / 残存性能 / 外観評価 / 非破壊試験 |
Outline of Research at the Start |
現在,既設土木FRP構造物の経年が進んできているが,他の分野の構造物と比較して規模が大きく,また設計耐用年数も長い土木構造物のFRP部材の維持管理方法は未だ確立されておらず,その確立が求められている.本研究は,土木FRP構造物の維持管理において,点検時の外観および非破壊検査結果から構造性能を評価する方法を確立することを目指し,劣化したFRP部材に対して,外観調査,非破壊検査,強度実験を実施することにより,外観変状および非破壊検査結果と残存構造性能の関係を明らかにしようとするものである.
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は,約20年間暴露されたFRP歩道橋の床版および角パイプを対象部材とし,それらの外観評価,非破壊試験(打音検査,超音波探傷試験,透水試験など)を実施し,外観の劣化レベルと,非破壊検査結果との比較を行った.また,それらの部材から材料試験用のクーポンを切り出し,初期の材料物性値からの変化率を同定した.床版材料の引張試験は,0度方向(引抜方向)以外に,45度や90度方向も実施した.また,樹脂の化学変化を赤外線分光法にて調査し,SEM観察も実施した.それらの結果から,外観の変状レベルとの残存性能との対応関係を検討した. 床版材料の引張試験の結果から,床版の暴露面および下面ともに,0度方向の弾性率の変化は大きくなく,強度については,暴露面よりも下面の低下率が大きくなった.これは,紫外線の影響よりも水分の影響が大きいことを示している.また,90度方向では,弾性率の変化は大きくなかったが,暴露面・下面ともに強度の低下が大きく,特に暴露面において約40%程度の強度低下であった.45度引張によるせん断方向については,弾性率の変化はやはり大きくなかったが,強度低下が認められ,暴露面において約30%の低下であった. 角パイプの引張試験の結果から,暴露面・下面ともに弾性率の低下がみられ,暴露面では最大約20%,下面では最大15%の低下がみられた.また強度では,暴露面で最大57%,下面では最大35%の低下がみられた. 非破壊検査の打音での評価は,人間の聴覚で,暴露なしと暴露ありの違いは聞き分けられるが,データとして定量的に評価できるまでには至らなかった.樹脂の化学変化を赤外線分光法により調査した結果,樹脂の化学変化を明確にとらえることができなかった.超音波伝播速度については,0度方向の引張強度の低下傾向と関係性が見られるため,今後詳細な検討を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は,FRP歩道橋床版および角パイプの外観調査・非破壊検査と残存性能評価を実施した.材料試験は完了し,非破壊検査を打音・超音波探傷などを実施した.非破壊検査については,検査結果と残存性能との対応について,さらに詳細な考察が必要であり,R5年度に実施する予定である.外観評価については,外観からある程度,FRPの劣化は評価できるものの,繊維が露出していなくても強度が低下している場合もあるため,その場合の残存性能評価について今後検討が必要である. R5年度以降も,現在の研究体制で研究を実施していくことで,当初の研究計画を達成する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度は,約20年間暴露されたFRP角パイプを対象部材とし,それらの外観評価劣化レベルと,材料試験との比較を行う.また,暴露部材と暴露なし部材の曲げ実験を行い,暴露後の残存性能を明らかにする.その結果をもとに,暴露部材の補修を行い,補修後の性能回復を曲げ実験より明らかにする.また,これまでに実施した非破壊検査結果を詳細に考察し,非破壊検査と力学的性能との関係を検討する.最後に,これまで3年間の研究結果から,外観の変状レベルとの残存性能との対応関係を検討し,外観観察または非破壊検査結果から,残存性能レベルの推定する方法を提案する.最後に,FRP構造物の維持管理において,構造性能を評価するための基礎データとなる定期点検項目および定期点検票の提案を行う予定である.
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)