機械学習に適した損傷分類ルールの構築と建物被災度評価の自動化手法の開発
Project/Area Number |
21H01579
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25020:Safety engineering-related
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
田中 聡 常葉大学, 大学院・環境防災研究科, 教授 (90273523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重川 希志依 常葉大学, 社会環境学部, 名誉教授 (10329576)
松岡 昌志 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (80242311)
鱒沢 曜 明星大学, 建築学部, 准教授 (90533141)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥11,440,000 (Direct Cost: ¥8,800,000、Indirect Cost: ¥2,640,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | 深層学習 / 建物被害 / 物体検出 / セグメンテーション / 教師なし学習 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、建物被害評価に深層学習技術を取り入れ、自動化を実現しようとするものである。これまで深層学習による建物被害判別では、学習させる被害写真の枚数が少ないという問題があり、多クラス分類では良好な判別精度が得られなかった。そこで本研究では、まず被害写真を教師なし機械学習でクラスタリングし、建物部位ごとの被害写真の枚数や特徴によって、複数の分類クラス数を作成し、その結果を深層学習で学習し、最適な被災度評価が得られる組み合わせを決定する。次に、この学習モデルをこれまで開発してきた建物被害調査システムと統合し、実被災建物を利用して実証実験を実施し、その効果と課題を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、建物被害評価に深層学習技術を取り入れ、自動化を実現しようとするものである。これまで深層学習による建物被害判別では、学習させる被害写真の枚数が少ないという問題があり、多クラス分類では良好な判別精度が得られなかった。そこで本研究では、まず学習する写真データの増量をめざした。 今年度は新型コロナへの対応の影響で、新たな被害写真の入手が困難であったため、入手済みの写真について詳細に分析し、データベース化した。まず、一般に被害写真には、建物全体を撮影した写真から、損傷部位の拡大写真まで、距離感の異なる写真が混在している。さらにそれぞれの部位の材料ごとに被害の発生形態が異なるため、写真一枚ごとにこれらの情報をラベル付けし、データベースを構築した。 次に損傷程度のラベル付けをおこない、学習データセットを作成した。ラベル付けには、使用する画像認識技術によって、1)1枚の画像に代表する損傷程度を一つラベル付けする方法、2)1枚の画像に存在する複数の損傷をすべてラベル付けする方法がある。さらに後者には、損傷を大きく枠で囲む手法と、ピクセル単位で損傷部分を詳細に囲む手法がある。本研究ではこれらすべてを使い、1枚の被害写真から3通りの学習データを作成した。 これらのデータを使い、対象部位を外壁とし、深層学習によって学習し画像の分類を実施した。結果として撮影者と対象との距離、部位の材料、さらに対象物以外の物体の映り込み、が画像の分類に大きく影響することが明らかになった。特に損傷の拡大写真の混在は、判定精度が低下する大きな要因となっており、検討の結果、1階が写真内にめいっぱい収まる程度を標準としてデータを再構築した。 最後に建物被害調査の研修会の実施を通して、スマートインスペクション・システムの準備を行い、使用者からのフィードバックからユーザーインターフェイスを改良した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、学習する写真データの増量をめざしたが、コロナ禍で行動が制限されたため、新たな写真が入手する活動が困難であった。そのため入手済みの被害写真を精査しデータベースを構築した。ただし入手済みの写真では、損傷の形態や損傷部位の材料に偏りがあり、新たな種類の被害写真を追加する必要がある。 一方、深層学習による分類の試行によって、損傷判定精度に影響を与える要因が明らかになった。特に撮影者と対象との距離のラベルの統一は重要であり、標準データの形式を決定できたことは、予定通りの進捗である。画像認識技術の選択では、データ作成の要員と時間の関係から、物体検出を基本としてデータを作成することを選択し、データ作成効率の向上を目指した。 建物被害調査の研修会の実施を通して、スマートインスペクション・システムの準備は、順調に進み、インターフェースの改良から、使用感の向上も図られた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、新たな被害写真を入手し、深層学習のための教師データの作成をおこなう。さらに本年度検討したラベルの条件を元に、外壁のみならず内壁や天井などほかの部位についても検討する。また、使用する画像認識技術は物体検出を基本とするが、より詳細な検討が可能なセグメンテーションのデータも作成する。セグメンテーションデータの作成には時間と労力がかかるが、これまで学習してきた学習済みモデルを使い、元となるセグメンテーションデータを試作し、そのデータを人間が修正する方法で、データ作成の効率化をはかる。 次に作成したデータセットを作成したデータセットをコンピュータに機械学習させ、それぞれの部位の被害画像に共通する特徴量を学習させる。さらに無作為抽出した検証用画像を入力し、判別精度の違いを検討する。損量ラベルの分類方法の違いが、建物全体の被災度評価に与える影響を検討するために、新潟県小千谷市に現存する被災住宅を使って検証する。 実用化する調査システムとして、これまで開発してきたスマート・インスペクションシステムを採用し、開発した被害評価モデルと統合する。次年度は本年度に引き続き、Android版のスマート・インスペクションシステムを開発する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)