分子・光情報変換ナノメディエータを用いた大容量多重分子センシング
Project/Area Number |
21H01844
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 30020:Optical engineering and photon science-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小倉 裕介 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (20346191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 隆宏 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (10722829)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
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Keywords | ナノメディエータ / DNAナノマシン / 光符号化 / FRET |
Outline of Research at the Start |
本研究では、多様な分子が関わる大容量情報を効率的に取得する手法の構築をめざす。このために、生体分子情報と光情報の間に介在し、これらの変換を行なうナノメディエータ(ナノの仲介者の意)を作製し、多重分子センシングに適用する。情報変換機能は、DNAが持つ分子情報の取得・処理能力と、蛍光分子間で生じるエネルギー移動を利用した光符号化をもとに実装する。数値計算と実験により本手法の特性を評価し、分子センシングにおける能力を示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多様な分子が関わる大容量情報を効率的に取得する手法の構築をめざし、生体分子情報と光情報の間に介在し、これらの変換を行なうナノメディエータを開発し、多重分子センシングにおける能力を明らかにすることを目的とする。研究課題として、1.光DNAナノマシンを用いた分子検出に伴うDNA構造操作法の構築、2.フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)ネットワークによる光符号化法の開発、3.ナノメディエータを用いたセンシング/イメージングの評価の3つを進めていく。今年度は、数値計算と実験により光符号化法の実証と高機能化を進め、多重分子センシングにおける基本的なデータを蓄積した。 まず、DNA構造体により実装した符号化器を用いて、分子入力に応答して蛍光スペクトルが変化することを実験的に示した。また、エネルギー移動のモデルに基づく動作シミュレーションを行い、符号化光の識別アルゴリズムを適用することにより、各符号が識別可能であることを確認した。さらに励起スペクトルを識別情報として用いる新たな手法を検討し、蛍光スペクトルと同等の性能が得られることがわかった。励起スペクトルの測定においては検出側での分光が不要であり、システムを簡便化できる可能性がある。 次に、これまでの成果をもとに、ナノメディエータを用いて2種類の分子を同時検出する系を設計した。この系を実装して実験を行い、検出対象分子の相対濃度を推定できることを示した。これにより多重分子センシングにおける基本機能を確認できた。また、腫瘍イメージングへの応用について検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでにFRETネットワークにより多様な光符号を生成できることや、それらの光符号を識別できることを数値計算により確認している。また、分子検出に伴って変化するDNA構造体を用いた実験においても、ナノメディエータの機能を確認し、特性の評価が進んでいる。さらに、光符号識別のための情報として、新たに励起スペクトルの利用可能性も見出した。一方、応用の準備として、光照射によるProtoporphyrin IX の蛍光スペクトルの切り替え等により,高コントラストに腫瘍領域からの蛍光を検出できることや、イメージング可能時間が拡大できることを示した。これらのことから、ナノメディエータ構築に必要な技術と知見が着実に整備されており、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
光DNAナノマシンについては複数のセンシング部位を有するDNA構造による光符号化など機能向上を進める。一方、多重分子センシングにおいてはクロストークの低減が重要であり、既に構築したシミュレーション環境を利用してFRETネットワークの改良を適宜実施する。また、符号化光の識別アルゴリズムなどの成果を統合し、分子の多重センシングへの適用を図る。対象分子の有無や構造の多重検出が行えることを確認し、本手法の有効性を示す。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)