Project/Area Number |
21H02693
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49010:Pathological biochemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 徹 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任教授 (70150745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鴨志田 祐己 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任研究員 (50835759)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,450,000 (Direct Cost: ¥6,500,000、Indirect Cost: ¥1,950,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 老化 / 細胞老化 / 分泌タンパク質 / がん / インスリン抵抗性 / 寿命 / 代謝 / がん化 / シグナル伝達 |
Outline of Research at the Start |
我々は、RNAに結合するタンパク質Mex3Bをつくれないマウスは、1)老化抵抗性で寿命が延長していることや、2)がん化に抵抗性であることを見出した。本研究では、Mex3Bにより発現が調節される機能未知のタンパク質Neurotrimin(NTM)が老化及びがん化に果たす役割を分子レベル及びマウス個体レベルで解析する。本研究を通して、新たな老化・がん化制御の機構を提唱することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は、老化に関与する可能性がある分泌タンパク質としてNTを見出したので、NTが老化・代謝・がん化に与える影響をさらに具体的に明らかにすることを目的として研究を進めた。 本年度までの研究成果から、NTはヒト線維芽細胞IMR90細胞の老化を惹起する機能を有することを示唆する結果が得られている。本年度は、まずNT欠損マウス胎児より調製したMEFを用いた解析を行った。その結果、NT欠損マウス由来のMEFでは継代数の増加に伴う細胞老化が抑制されることを見出した。続いて、NT欠損マウス個体レベルでの解析を試みた。NT欠損マウスは通常飼育下では野生型と比べて体重に変化は無く、雌雄ともにインスリン感受性にも差は認められなかった。そこで、脂肪組織に対して生理的な条件下で老化を引き起こすために高脂肪食負荷を行い、インスリン感受性の変化を検討した。その結果、NT欠損雄マウスでは高脂肪食負荷時において、インスリン感受性が改善しており、そのことは血中Hb1Ac値の低下からも確認された。さらに、脂肪組織における老化シグナルの発現を確認したところ、NTM欠損マウスの脂肪組織ではIL-6などの老化関連遺伝子の発現減少が確認された。 そこで、NTの阻害剤は抗老化・糖尿病の治療薬になりうるという仮説の下、NTに対する中和抗体の作製を試みた。NTリコンビナントタンパク質もしくはNTM強制発現細胞をマウスに免疫したのちに、抗体産生ハイブリドーマを作成し、抗NTモノクローナル抗体を生産するクローンを選択した。得られたモノクローナル抗体をIMR90細胞に作用させたところ、Ras強制発現に伴う老化惹起を緩和する効果を有するクローンが見出された。したがって、我々はNTMに対する中和抗体の取得に成功したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回、老化を誘導する分泌タンパク質で、SASP(Senescence-associated protein)様に機能することが考えられるNTに関する研究で以下の結果が得られた 1)培養細胞レベルでNTタンパク質は老化を惹起する機能を有していた。 2)マウス個体では、高脂肪食負荷に伴う肥満状態では、脂肪組織において老化が惹起されている。しかしながら、NT欠損マウスでは高脂肪食負荷時の脂肪組織において、老化関連遺伝子の発現が低下しており、この時インスリン感受性が改善していた。 3)NTタンパク質に対するモノクローナル抗体の作製を試みた結果、老化の誘導を阻害する機能を有するNT中和抗体の選別に成功した。 以上のように、in vivo及び in vitroの両方でNTの機能解析を行えたこと、並びに今後の研究に用いる実験試料として極めて有用な中和抗体の獲得に成功したことは、次年度以降の研究のさらなる進展を期待させる成果と考えられ、高く評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度までに得られた実験結果ならびに中和抗体をはじめとした実験試料を用いて以下の解析を行う予定である 1)作製したNTリコンビナントタンパク質や中和抗体を大量に調製して精製し、IMR90細胞を用いた老化モデル系や各種がん細胞、ならびにマウス個体に対して投与し、生じる表現型の変化を解析する。具体的には、IMR90細胞では老化シグナルの変化やSA-βgal染色による細胞老化の変化の検討、各種がん細胞では細胞増殖の変化や造腫瘍性の変化の検討、マウスでの造腫瘍性に変化の見られた場合には特に微小環境に注目した解析を進める。老化マウスや肥満マウスを用いた実験では、各種臓器、インスリン感受性ならびに筋力などの老化の表現型の変化を検討する。変化が見られた検体はそれぞれ次世代シーケンサーによる解析に供し、NTにより制御されるシグナル経路の検討を行う。 2)NTがどのように老化シグナルの制御を担っているのか、その分子機構の解明を目指す。NTは分泌タンパク質であるため、受容体が存在する可能性がある。そこでまずは、受容体の同定を目指す。具体的には、リコンビナントNTタンパク質とIMR90細胞の細胞膜画分を混合し、NTタンパク質に結合するタンパク質を、質量分析器を用いて網羅的に同定することでNT受容体の同定を試みる。得られた受容体候補が、NTによる老化シグナルの制御に重要であるかを検討するため、ノックダウンなどを行い、受容体を欠損させたときのNTの老化シグナル制御能の変化を調べる。 上記の解析を通じて、NTが細胞老化・老化・インスリン感受性・がん化に与える影響を明らかにし、その分子機構の解明を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)
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[Journal Article] SIPA1L1/SPAR1 Interacts with the Neurabin Family of Proteins and is Involved in GPCR Signaling2022
Author(s)
Matsuura K., Kobayashi S., Konno K., Yamasaki M., Horiuchi T., Senda T., Hayashi T., Satoh K., Arima-Yoshida F., Iwasaki K., Negishi L., Yasui-Shimizu N., Kohu K., Kawahara S., Kirino Y., Nakamura T., Watanabe M., Yamamoto T., Manabe T. and Akiyama T.
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Journal Title
The Journal of Neuroscience
Volume: 42
Issue: 12
Pages: 2448-2473
DOI
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Peer Reviewed / Open Access
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