Project/Area Number |
21H02834
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
荒井 秀典 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 理事長 (60232021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 実 筑波大学, 人間系, 教授 (30525572)
松井 康素 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院 ロコモフレイルセンター, センター長 (50501623)
佐竹 昭介 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 部長 (50508116)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥15,990,000 (Direct Cost: ¥12,300,000、Indirect Cost: ¥3,690,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | サルコペニア |
Outline of Research at the Start |
本研究は、「サルコペニアをターゲットとした包括的観察研究」と題し、①サルコペニア及びフレイルの累積罹患・重症化に係わる要因検証、②サルコペニア及びフレイルがその後の有害健康転帰発生に及ぼす影響を検証する。本研究では、国際基準を用いたサルコペニアと各種有害健康転帰との関連性検討を行い、新基準の有用性、課題、制限などを検証する。さらに、サルコペニアの発症、重症化に関連する疾患、薬剤をコホート研究と医療レセプトデータの突合により検証する。これらの検討により、我が国のみならず、世界のサルコペニア研究に有益な情報を発信することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2018年より地域在住高齢者1,260名を対象に骨格筋に主眼を置いたコホート研究(MUSCLE study)を開始している。このコホート研究では、複数のサルコペニア、フレイルに関する測定を行っており、それぞれの定義によるアウトカム発生状況を比較検証することが可能である。本研究では、このコホートデータをベースに、パネル調査および追跡調査を実施し、骨格筋の状態変化や各種アウトカムとの関連性を検討することを目的としている。2021年にはパネル調査を実施し、それぞれの機能の変化を追うことが可能となっている。MUSCLE studyの独創的である点は、一般的に計測されることが多い体組成計による骨格筋量や筋力のみならず、全例に超音波画像測定を実施できていることである。 2022年度は、MUSCLE studyをベースに追跡調査を行い、転倒、骨折、入院、要介護、死亡などの有害健康転帰をアウトカムとし、ベースライン時の骨格筋特性がその後の有害健康転帰に及ぼす影響について検討した。また、パネルデータの分析を行い、3年間で低下した機能を調査した。アウトカムとの関連性では、サルコペニア・フレイルの各判定基準により、その有病率や発生率が大きく異なることが示された。サルコペニアの基準では、AWGS2014よりAWGS2019の方が有病率が高くなるものの、各種アウトカムの発生率に顕著な差はなく、後者で判定を行うことが適切であることが示された。フレイルの判定基準では、J-CHS基準で判定を行うと死亡や要介護の有病率が高まり、KCLで判定を行うと転倒や骨折の発生を捉えやすいことが示された。パネルデータの分析より、3年間で移動能力や敏捷性が低下しやすいことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022-2023年は、ベースライン調査、パネル調査、追跡調査によって得られたデータを分析することが主になっている。アウトカムとなるデータを連結する準備も順調に整っており、要介護、死亡、転出、医療費、介護給付費についは適切に追跡が行えている。2022年度は、パネル調査時の超音波画像データの解析、データ整理等、データ分析に必要な準備を行えたとともに、ある程度のデータ分析を進めることができており、概ね順調に進められていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
分析対象となるデータベースであるMUSCLE studyはベースライン調査より5年間が経過し、これまで十分な検討が行えなかったアウトカム分析が行えるようになった。2023年度は、このデータベースを基に、追跡データとパネルデータの分析を行う。追跡データ分析としては、サルコペニア、サルコペニア疑い、フレイルといった各カテゴリ該当が各アウトカムに及ぼす影響を検証する。アウトカムデータとしては、転倒、骨折、入院、要介護、死亡などの有害健康転帰とする。また、追跡期間における医療費や介護給付費に及ぼす影響も合わせて検討する。パネルデータ分析では、サルコペニア、サルコペニア疑い、フレイルの重要化や新規発生に焦点を当て分析を行う。特に、筋量、筋力、筋質といった骨格筋の指標がどのように変化するのか検証する。この計画は、当初予定通りであるが、この研究期間はコロナ禍による影響を強く受けている。高齢者の中には、この影響を強く受け続けている方とそうでいない方がいることが分かっており、この点についても考慮しながら分析を行うこととする。
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